しずてつ 「水素バス」導入へ 脱炭素目指し 静岡県内事業者初

 静岡鉄道グループのしずてつジャストライン(静岡市葵区)が2023年度に、水素で走る「FC(燃料電池)バス」2台を導入する方針を固めたことが10日までに分かった。脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環で、二酸化炭素(CO2)排出量の削減と地域社会で水素を利活用する機運醸成を図る。

 ■地方都市では異例
 FCバス導入は県内バス事業者で初めて。トヨタ自動車製の車両を検討している。水素の供給には、静岡市内で稼働または計画中の水素ステーションを活用する可能性がある。
 購入費用は県などが23年度予算案で計上する補助金を見込むほか、一部を自己負担する。FCバスは東京都や愛知県など大都市圏で導入事例があるが、地方都市では珍しいという。
 民間での水素利用は燃料電池車(FCV)など一部に限られているのが現状だが、FCバスの導入で住民に次世代エネルギーとしての将来性が広く認知され、地域での利活用に弾みが付く展開が期待されている。
 国土交通省は、FCバスの国内保有台数が22年の約120台から30年には約1200台にまで伸長すると試算している。

 FCV(燃料電池車) 水素と酸素の化学反応で発生する電気エネルギーでモーターを回して走る自動車。燃料となる水素を水素ステーションで補給する。走行中に二酸化炭素(CO2)が発生せず、水のみを排出する。

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