沼津・寿太郎ミカン出荷スタート 「奥深いコク感じて」

 沼津市三浦(さんうら=西浦、内浦、静浦)地区で生産が盛んなブランドミカン「寿太郎温州」の出荷が31日、同市西浦平沢のJAふじ伊豆西浦柑橘共同選果場で始まった。今季は一定の収穫量が見込める「表年」で、販売にも期待が集まる。生産者らは収穫から1カ月間熟成させ、甘さとコクを引き出した逸品を持ち込んだ。販売開始は2日。

今季の出荷が始まった寿太郎ミカン。品質を丁寧に確認し、作業を急いだ=沼津市西浦平沢のJAふじ伊豆西浦柑橘共同選果場
今季の出荷が始まった寿太郎ミカン。品質を丁寧に確認し、作業を急いだ=沼津市西浦平沢のJAふじ伊豆西浦柑橘共同選果場

 出荷初日は「JAふじ伊豆西浦柑橘出荷部会」の生産者らが朝から続々と選果場に運び込んだ。皮の汚れや傷を目視で確認した後、糖度と酸度を測るセンサーでさらに仕分け。この日は約50トンを品質と大きさに分けて箱詰めした。
 昨季の収穫量は2千トンを割り込む厳しいシーズンだった。今季は出荷期間の3月中旬までに約2300トンを見込む。地元と関東の市場に出荷される。浜口和彦副部会長によると、収穫期だった昨年12月は天気が良く生育も順調だったという。
 「寿太郎温州」は三浦地区を支える主産業。浜口副部会長は「昨年1年間を通して天候が安定していた。自然のままに育てることができ、甘みと酸味を併せもった奥深い味わいになった。その『コク』を感じてほしい」と強調する。

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