性自認で選択、校区越えた再利用 中学制服、見直し求め団体設立 浜松

 浜松市内48中学校の制服の在り方について考えようと、同市の保護者や中学生、制服リユース活動をする関係者らがこのほど、任意団体「ミライ制服すすめ団」を設立した。制服による金銭的負担の軽減や性自認に沿った制服の選択などの観点から、私服を含めた選択可能な制服の実現を目指す。

制服の在り方について議論するメンバー=浜松市中区
制服の在り方について議論するメンバー=浜松市中区


 同団体によると、中学入学時に制服一式をそろえるのには現在、10万円ほどを要する。デザインなどは各校が独自に採用しているため、校区を越えた再利用が難しく、中には譲り受けを禁止している学校もあるという。また、出生時に割り当てられた性別に違和感を持つ生徒を含め多様性を考慮し、市内でも制服の見直しが進められているが学校ごとに取り組みへの差がある。
 同団体は15日に中区の市民協働センターで設立会議を開き、25日に市教育長に要望書を提出することを確認した。要望書では、同団体が市内の保護者や生徒、学校を対象に行ったアンケート結果を踏まえ、選択可能な市内統一制服を求める。統一制服は県内では4月から裾野市で始まるほか、掛川市も2024年度の導入を目指している。
 市内で制服のリユース活動を行ってきた夏目はるなさん(46)は「制服に関する情報が得にくい現状がある。情報共有もできる団体になれば」と話した。

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