統一感と個性40編 「しずおか連詩の会」グランシップで発表会

 「2022年しずおか連詩の会」(県文化財団、県主催、静岡新聞社・静岡放送共催)の発表会が6日、静岡市駿河区のグランシップで開かれた。まとめ役の詩人野村喜和夫さん、詩人の暁方ミセイさん、作家でフランス文学者の堀江敏幸さん、細胞生物学者でもある詩人の田中庸介さん、若手歌人のホープ木下龍也さんが、200人以上の来場者を前に、5日までに創作した全40編の連詩「『光を塗りかえる』の巻」を朗読、解説した。

作品を解説する「2022年しずおか連詩の会」の参加者=6日午後、静岡市駿河区のグランシップ
作品を解説する「2022年しずおか連詩の会」の参加者=6日午後、静岡市駿河区のグランシップ

 完成した詩の一つ一つを作者本人がリレー形式で読み上げた。それぞれの詩に込めた思いや背景を解説し、実際の会話や創作会場の雰囲気を振り返った。
 6年ぶりの参加で第1詩を担当した暁方さんは「それぞれジャンルは違っても、5人の間には信頼と同時に遠慮のなさがあり、1人の世界にこもることなく連詩を巻くことができた」と振り返った。
 初めて参加したのは3人。堀江さんは「5人が緩い“ひも”のようなもので結ばれ安心して創作できた」と述べた。田中さんは「連詩では自分が表現できなくなる気がしていたが、そんなことはなかった。想像以上に面白かった」。木下さんは「明日から一人での短歌の創作に戻る。さみしくなるかもしれない」と、別れを惜しんだ。
 野村さんは「現代詩のプロパーと作家、歌人という多様で素晴らしいメンバーにより、統一感と個性の両立という共同制作の理想が実現した」と述べた。

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