妖艶な異世界表出 しずおか連詩の会 全40編「『光を塗りかえる』の巻」完成 静岡・グランシップ

 「2022年しずおか連詩の会」(静岡県文化財団、県主催、静岡新聞社・静岡放送共催)は5日、静岡市駿河区のグランシップで3日目の創作が行われ、全40編の「『光を塗りかえる』の巻」を完成させた。一線で活躍する詩人、作家、歌人ら5人が5行詩と3行詩をリレー形式で繰り返し、妖艶で不穏な異世界を表出させた。作品を朗読、解説する発表会は、6日午後2時からグランシップ11階の会議ホール・風で行う。

全40編を完成させ、笑顔を見せる「2022年しずおか連詩の会」の参加者=5日夜、静岡市駿河区のグランシップ
全40編を完成させ、笑顔を見せる「2022年しずおか連詩の会」の参加者=5日夜、静岡市駿河区のグランシップ

 参加者は本紙読者文芸選者で詩人の野村喜和夫さん、詩人の暁方ミセイさん、作家でフランス文学者の堀江敏幸さん、細胞生物学者でもある詩人の田中庸介さん、若手歌人のホープ木下龍也さん。前日までに完成した26編に続き、自在にイメージを広げて創作した。
 最終の第40編は、田中さんの3行詩「幻想の管弦楽の鳴り響く夕べ/久能山 いや マッターホルンの頂に/赤いエクスタシーが立つ」。会場のグランシップから見えた久能山をヒントに、山から光の柱が立ち上がり、空を塗りかえる情景を色彩豊かに描写した。
 初参加の木下さんは「普段は読み手を心地よくさせることを意識して短歌を作っている。連詩の会では定型の外だからこそ、どろどろした素の自分が出た気がする」と、3日間の創作を振り返った。
 

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