大井川鉄道 公的支援を要請 台風で運休、沿線自治体に

 台風15号の被害により9月から本線が運休中の大井川鉄道(島田市)の鈴木肇社長は25日までに静岡新聞社のインタビューに応じ、金谷-千頭間の全線復旧のめどが立たず、沿線自治体などに公的支援を求めていることを明らかにした。観光事業の大幅な収入減を受けて「災害復旧だけでなく、鉄道そのものの存続に向けた支援の枠組みが必要」との認識を示した。
 鈴木社長は新型コロナウイルスの影響で旅客数が激減した2020年以降の経営悪化に触れ「体力が落ちている中での被害で、本来独自に対応してきた災害復旧が難しくなってきている」と述べた。12月に予定する金谷-家山間の部分開通による観光客の受け入れ再開を最優先で進めるとした上で、「観光事業が打撃を受け、地域輸送も守れなくなっている。国や県、市町などと連携して対応したい」と述べた。
 本線は台風の大雨により採石場跡地から大量の土砂が流入するなどし、現在は県による土砂の撤去が進められている。

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