手術せず性別変更申し立て 鈴木さん、初の審尋 家裁浜松支部

 生殖機能をなくす性別適合手術をせずに、静岡家裁浜松支部に戸籍上の性別変更を申し立てている鈴木げんさん(47)=浜松市天竜区=の家事審判で14日、初の審尋が開かれた。審尋後の会見で鈴木さんは「関心を持って審議してくれた」と強調。弁護団は、担当裁判官に対し、本年度中に判断するよう求めたことを明かした。

審尋後の会見で語る鈴木げんさん=14日午後、浜松市中区
審尋後の会見で語る鈴木げんさん=14日午後、浜松市中区

 申し立てでは、戸籍上の性別変更を定めた性同一性障害特例法のうち、生殖機能の除去などを求める要件を違憲とし、変更審判を求めている。同様の申し立ては全国で2例目。2019年に最高裁は合憲判断を下したが「憲法違反の疑いが生じている」とする補足意見を示した。
 弁護団によると、審尋は約1時間行われ、裁判官が鈴木さんに対し、性別違和を感じ始めた時期やホルモン投与の期間や費用などについて質問したという。
 鈴木さんは「真摯(しんし)に聞いて考えてくれたと感じた。今回の裁判を通じ、全ての人が性自認や生活実態に即した戸籍の性別で、安心して生活できる社会になってほしい」と期待を寄せた。

 

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