自衛隊派遣要請、適正だったか 県、要件従い対応/情報収集に課題 台風15号

 静岡県は3日、台風15号での自衛隊の災害派遣要請について、派遣の原則や広域受援計画などに基づき、「手続き上の問題はなかった」との見解を示した。孤立集落の把握など県内全体の被害情報の収集と集約には課題があるとして、今後検証する。

静岡県庁
静岡県庁

 自衛隊の災害派遣は「緊急性」「公共性」と自衛隊の活動以外に適切な手段がない「非代替性」の3原則を満たす場合、県から要請で行われる。県はこのうち、緊急性と非代替性について、発生直後には該当しないか、もしくは判断が難しい状況だったと説明した。
 県が要請をしたのは被害判明から2日後の9月26日午前10時25分。県内では静岡市清水区の大規模断水だけでなく、複数の市町で孤立集落が発生していたが、要請に踏み切るまで時間を要した。
 断水に関し、県は「ただちに生命の危険が生じる状況ではない」と判断し、受援計画や静岡市の断水の復旧計画に基づいて適切な手続きを踏んでいたとする。孤立集落の支援は迅速な人命救助が必要だった可能性もあったが、市町からの情報収集が難航した。
 県は災害救助法が適用された中、西部の市町とは派遣について個別に対応を検討していたが、派遣先や支援内容の特定には至らなかったという。
 派遣要請の判断は被災状況の把握が要となる。県危機管理部の杉山隆通危機報道官は「広範囲の災害で、各地の情報を集約する仕組みを検証する必要がある」と述べた。

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