記者コラム「清流」 意識の薄れ

 牧之原市の「川崎幼稚園」で園児が送迎バス内に置き去りとなり死亡した事件。発生から3週間以上が経過した今も、献花台を訪れる人の姿は絶えることはない。
 献花に訪れる多くの方々に話を聞いた。親として、保育関係者としての思いなど、さまざまな立場から目に涙を浮かべて絞り出してくれた言葉に、何度も胸が締め付けられた。園の会見ではずさんな管理体制が明らかになった。そこには安全管理への意識や危機感の薄れが間違いなくあった。
 しかしそうした意識を現場だけでなく、施設を監督する機関がどれだけ持っていたのだろうか。再発防止に向けた動きが各所で進むが、一番大切なのは今回の出来事を絶対に忘れないことだと強く思う。
 (榛原支局・足立健太郎)

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