要対策土「盛り土できない」 知事、JR東海社長に明言【大井川とリニア】

 川勝平太知事は13日に県庁で開かれたリニア中央新幹線工事を巡る金子慎JR東海社長との会談で、南アルプストンネル工事で発生する残土のうち、自然由来の汚染物質が含まれる「要対策土」を大井川上流部の藤島沢(静岡市葵区)に積み上げ存置する同社の計画について、7月に施行した県盛り土規制条例を理由に認められないと金子社長に伝えた。
 非公開で行われた会談後の取材で明らかにした。川勝知事は金子社長に同条例の全文が書かれた文書を手渡し、藤島沢の計画は「非常に厳しい状況」と指摘した。条例では、知事が適切な措置が講じられていると認めれば、例外的に盛り土できる「適用除外」を規定しているが、知事は、現行計画は「適用除外にならない」と、はっきりと伝えたという。
 知事によると、金子社長は「(条例を)熟読する」と応えた。金子社長は知事とは別に13日に取材対応したが、残土処理計画については触れなかった。
 同社の要対策土の盛り土計画を巡っては、難波喬司県理事が8月31日の取材で、現行では認められないと明言した。金子社長は今月8日の定例記者会見で計画撤回の考えについて「県の話を(直接)聞いてから、どうするかということになる」と述べていた。

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