市教委、関係者の処分なし 浜松市の小中学校でいじめ被害

 浜松市の女性(18)が小中学校時代にいじめを受け、いじめの再調査委員会が当時の学校や市教育委員会の対応が不適切だったと指摘した問題で、市教委は13日、女性の母親と面会し、質問を受けていた当時の関係者の懲戒処分について、基準に該当しないことなどから行わず、厳重注意にとどめるとの考えを伝えた。関係者への取材で分かった。

浜松市役所
浜松市役所

 女性の母親らは当時女性に「おまえが悪い」といった趣旨の発言をしたとされる教員らをはじめ、市教委や学校教員らが懲戒処分に相当すると主張していた。市教委はこれらの発言が懲戒要件の「不適切な言動」に当たる可能性があるものの、この人物が現時点で市教委の組織内におらず、処分権限がないと説明した。その他の関係者13人に関しては、要件に該当する行為が確認できなかったと伝えたという。
 このほか、市のいじめ防止基本方針を母親らの提言を踏まえて改定し、9月中に公表すると伝えた。
 女性の支援者で、元小学校長の仲野繁さん(67)は「最低でも訓告、戒告処分はあるかと思っていた。疑問が残る」と話し、女性の母親は「処分がなければ、いじめはなくならないのではないかと不安が残る」と憤った。

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