地域一体で魅力発信へ 伊豆の国市観光協会 稲村浩宣会長【キーパーソン】

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける中、伊豆の国市ゆかりの北条義時が主人公の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放映を、地元観光の再活性化に向けた「追い風」と捉える。全国的に注目が集まる好機をどう生かすか。協会の役割や戦略を聞いた。

稲村浩宣さん
稲村浩宣さん

 -新型コロナの影響は。
 「まだまだ厳しい状況が続いている。市内の観光の中心地である伊豆長岡温泉では、過去は団体客を多く受け入れていたが、現在は旅館がそれぞれの個性を磨き、多様な客のニーズに対応して受け入れている。協会としても魅力を発信して広く知ってもらうことが大切だ」
 -地元ゆかりの大河ドラマの効果は。
 「『伊豆の国市』の名前が全国に広まった。従来、北条家の歴史はあまり知られていなかったが、放映によって、これまで来訪者が多くなかった史跡に足を運ぶ人が増えていて、観光に結びついていると実感する。地域の盛り上がりを市民は喜んでいる。今後も地域と一体感を持って事業に取り組みたい」
 -今後の展望は。
 「歴史や大河ドラマに関心があって訪れる観光客に対し、プラスアルファで市内の観光施設や飲食店を回ってもらう働きかけが重要。道路の整備によって交通の便が良くなり、観光の目的地にならなければ素通りされてしまう。歴史などの観光資産や温泉の質の良さを総合的にPRし、市内にできるだけ長く滞在してもらえるようにしたい」
 (大仁支局・小沢佑太郎)

 いなむら・ひろのり 2019年から現職。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の市推進協議会長も務める。茶の製造販売などを手掛ける蔵屋鳴沢(伊豆の国市)の社長。62歳。

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