リニア早期建設求める期成同盟会 川勝知事、加盟再申請

 川勝平太知事は2日、リニア中央新幹線の早期建設を求める沿線自治体による建設促進期成同盟会への加盟を求める申請書を、会長の大村秀章愛知県知事に提出した。リニア整備について「基本姿勢は促進」と強調した一方、南アルプストンネル工事に伴う大井川水問題などの懸念を挙げ「(県内の着工を認めていないのは)決してわがままではない。問題は解決すべき」と理解を求めた。

大村秀章愛知県知事(右)にリニア期成同盟会への加盟申請書を手渡す川勝平太知事=2日午後、三重県多気町
大村秀章愛知県知事(右)にリニア期成同盟会への加盟申請書を手渡す川勝平太知事=2日午後、三重県多気町

 三重県多気町で開かれた中部圏知事会議で休憩時間に手渡した。知事会議後の会見で川勝知事は「静岡県はルートが決まったのが最近で誘致運動をしたこともない。その中で環境影響評価(アセスメント)に相当の不備があり、住民の不安解消のため国に関与してもらい、JR東海と協議をしている」と県の立場を説明した。
 申請書では、リニア整備により静岡県は東海道新幹線の利便性向上の効果が期待でき、リニア沿線自治体の発展にも重要な事業だとして、東京―甲府間と飯田―名古屋間の整備促進には賛同した。名古屋―大阪間も早期整備に向け「国への働きかけを強める」とした。
 ただ、静岡工区を含む甲府―飯田間には姿勢を明示せず、川勝知事が大井川流域住民の理解を得られない場合の対応として主張するルート変更への含みも持たせた内容となった。
 川勝知事は2019年にも加盟申請をしたが、期成同盟会側が認めず、実現しなかった。
 リニア沿線9都府県による期成同盟会は3日に都内で総会を開く。大村知事は、加盟の可否について「手元に来たばかりで決めるのは難しい」として「会員にこんな話があったと紹介して意見を聞くことになる」との見通しを示した。
 中部圏知事会議では、新型コロナウイルス感染症対策の強化や地方創生促進などに関する提言をまとめた。

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