岸田首相「リニア2037年全線開業へ指導、支援」 期成同盟会要望受け 鈴木知事も同行

 岸田文雄首相は7日、リニア中央新幹線の全線開業(品川-大阪間)を2037年とする目標を堅持するようJR東海に求める考えを示した。沿線の都府県で構成する建設促進期成同盟会からの早期開業の要請に対し、「現行の想定時期の下、整備が適切に進むようJRに必要な指導と技術的支援を行う」と述べた。静岡県内で工事着手の見通しが立たないことを理由にJRが品川-名古屋間の27年開業断念を3月に表明したことから、全線開業時期への影響が注目されていた。

鈴木知事(右から3人目)らリニア中央新幹線の早期開業を求める建設促進期成同盟会に参加している沿線8県の知事らから要望書を受け取る岸田首相(左から5人目)=7日午後、首相官邸
鈴木知事(右から3人目)らリニア中央新幹線の早期開業を求める建設促進期成同盟会に参加している沿線8県の知事らから要望書を受け取る岸田首相(左から5人目)=7日午後、首相官邸
リニア中央新幹線の早期開業に向け、建設促進期成同盟会に参加している鈴木康友知事(右)らと面会する岸田首相(左)=7日午後、首相官邸
リニア中央新幹線の早期開業に向け、建設促進期成同盟会に参加している鈴木康友知事(右)らと面会する岸田首相(左)=7日午後、首相官邸
鈴木知事(右から3人目)らリニア中央新幹線の早期開業を求める建設促進期成同盟会に参加している沿線8県の知事らから要望書を受け取る岸田首相(左から5人目)=7日午後、首相官邸
リニア中央新幹線の早期開業に向け、建設促進期成同盟会に参加している鈴木康友知事(右)らと面会する岸田首相(左)=7日午後、首相官邸

 首相は、政府が17年までにJRに3兆円の財政投融資を行ったことに触れ、「JRの財務状況を厳格にモニタリングする」と述べるとともに「国家プロジェクトとして一日も早い全線開業に向けた取り組みを進める」と強調した。
 目標通り37年に全線開業するには、品川-名古屋間の工事と同時に、名古屋-大阪間の着手の前倒しも必要な状況だ。期成同盟会長の大村秀章愛知県知事は、JRが品川-名古屋間を開業させた後に名古屋以西の工事に着手する考えを示していることに関し、「JRとよく相談し、予定通り全線開業してもらえるよう応援したい」と述べた。
 同盟会は、静岡県内でのリニア工事の早期着手や品川-名古屋間の開業時期の明示を求める決議をした総会後、官邸を訪ねた。静岡空港新駅設置など東海道新幹線の利便性向上や、将来的な高速交通網の整備に関する構想も取りまとめ、併せて要望した。首相は「東海エリアの利便性向上を図り、地域にもたらされる経済効果の最大化を目指す」と応じた。
 総会に初出席し、要望にも同行した鈴木康友知事は首相に「スピード感を持ってJRとの対話を進める」と述べた。静岡空港新駅設置が要望に加わったことについては、報道陣に「飛躍的な高速交通体系の発展につながる。まだ先の話だが、応援してもらえるのは大変心強い」と述べた。


解説:政府は道筋明示促して  岸田文雄首相が、リニア中央新幹線の全線開業時期について2037年の目標を堅持するようJR東海に求める考えを表明した。だが、JRは健全経営と株主への安定配当を維持するためとして品川-名古屋間開業後、名古屋以西の工事に着手する「二段階方式」の事業計画を維持している。7日の期成同盟会総会でも、丹羽俊介社長から同様の内容の発言があった。
 37年開業を実現するには、品川-名古屋間と名古屋-大阪間の工事を同時に進める必要があり、5兆円を超える長期債務やマンパワーの確保で課題が残る。本県以外でもリニア工事の遅れが次々と明らかになる中で、政府はJRに37年の開業を求めるのであれば、実現に向けて具体的な道筋を示すよう促し、支援する責任がある。
 首相は今回、リニア事業を「国家プロジェクト」と表現し、JRに対する財政的な支援を示唆した。だが、JRが当初、環境影響評価で本県の大井川水資源への影響を軽視したことが品川|名古屋間の27年開業断念につながった要因であり、JR自身が足元の課題を丁寧に解決する姿勢こそが欠かせない。
(政治部・尾原崇也)
⇒リニア期成同盟会総会初参加の鈴木知事「スピード感持って」

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