犠牲忘れず防災意識高揚 伊豆半島沖地震48年 南伊豆で慰霊祭

 30人の死者が出た伊豆半島沖地震から48年の9日、被害の最も大きかった南伊豆町の中木地区で慰霊祭が執り行われた。遺族や地元住民ら約50人が参列し、冥福を祈るとともに後世に被害を語り継ぐ必要性を確認した。

犠牲者の冥福を祈った慰霊祭=南伊豆町の中木記念公園
犠牲者の冥福を祈った慰霊祭=南伊豆町の中木記念公園

 式典は慰霊碑の建立する中木記念公園で地元の中木区が毎年開催している。参列者は午前8時33分の地震発生時刻に鳴り響いた追悼のサイレンに合わせ、黙とうをささげた。岡部克仁町長と萩原宗一中木区長(64)らが献花し、萩原区長はあいさつで「犠牲を忘れることなく、防災意識の高揚につなげていかなければならない」と言葉に力を込めた。
 参列者で、両親と祖母を同地震で亡くしたという高校非常勤講師の山本哲夫さん(66)は「失われたのは人命だけでない。災害はいつ起こるか分からないという意識を皆で持ち続ける必要がある」と訴えた。
 同地震は石廊崎沖を震源に、1974年に発生。地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・9で、被害は伊豆半島南部に集中した。同町では同公園近くの城畑山が崩壊。中木地区では27人が犠牲となった。

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