盛り土 行政対応検証「相当な時間」 第三者委員会が初会合
熱海市伊豆山の大規模土石流で、静岡県や熱海市の行政対応を検証する検証委員会(委員長・青島伸雄弁護士)の初会合が22日、県庁で開かれた。委員からは、盛り土の造成から崩落に至るまでの経緯が複雑なことなどから、検証作業には相当な時間がかかるとの見通しが示された。
![県や熱海市の行政対応を検証するため開かれた検証委員会の初会合=22日午後、県庁](/news/images/n101/1003749/IP211222TAN000147000_O.jpg)
検証結果の取りまとめについて、県は年度内を目途にしている。非公開での会議後に取材に応じた難波喬司副知事によると、委員からは、県の希望は分かるが、資料が膨大で作業にどれくらい時間がかかるか見通せないとの意見があった。
会議では、県側がこれまでの経緯や盛り土崩落の要因などを説明した。議事録や会議資料は非公開とすることを決めた。委員からは「林地開発違反の是正措置の内容はどのようなものか」といった質問があった。次回は1月下旬を予定し、論点整理を行う。
県や熱海市の行政対応を巡っては、業者がずさんな開発行為を続けていたにもかかわらず市が措置命令の発出を見送ったり、盛り土の安定性に懸念を示した県職員に対して上司が担当外を理由に口出ししないよう指導したりしていたことが分かっている。
検証委は弁護士や行政法の専門家らで構成している。難波副知事は「県や市が検証するのではなく、第三者の立場でしっかり見ていただく」と話した。