江戸時代から続く鈴廣かまぼこ 博物館もオープン【経済トレンド】

 来年創業160周年を迎える神奈川県小田原市にある老舗魚肉練り製品メーカー。幕末の1865年、漁商を営んでいた四代目村田屋鈴木権右衛門(むらたやすずきごんえもん)が副業でかまぼこ製造したのが始まりだ。(共同通信=増井杏菜記者)

「鈴廣かまぼこ博物館」=神奈川県小田原市
「鈴廣かまぼこ博物館」=神奈川県小田原市
昭和20年代ごろに撮影された、神奈川県小田原市内の店舗
昭和20年代ごろに撮影された、神奈川県小田原市内の店舗
大正末期ごろ、現在の神奈川県小田原市内の工場で製造されるかまぼこ
大正末期ごろ、現在の神奈川県小田原市内の工場で製造されるかまぼこ
一番人気の板かまぼこ「謹上蒲鉾」
一番人気の板かまぼこ「謹上蒲鉾」
「鈴廣かまぼこ博物館」=神奈川県小田原市
昭和20年代ごろに撮影された、神奈川県小田原市内の店舗
大正末期ごろ、現在の神奈川県小田原市内の工場で製造されるかまぼこ
一番人気の板かまぼこ「謹上蒲鉾」


 明治時代の1880年代にかまぼこ製造を本業に。原料仕入れや製造技術の基礎を築き、屋号を「鈴廣」と改めた。太平洋戦時下では原材料不足などの苦難も。昭和の1960年代に工場を建設し、直売店もオープン。卸売りだけでなく顧客に直接商品を販売できる態勢を整え、売り上げを伸ばした。

 1972年、製造過程を見学できる新工場を建設。その後、米国でカニカマの製造販売も始めた。1996年、かまぼこやちくわ作りの体験もできる博物館をオープンした。

 2000年代には製造時に出る魚の骨や皮などから有機肥料の開発をスタート。2007年には魚肉たんぱく研究所も設立。伝統的な板かまぼこのほか、ねり製品の栄養価に着目したフィッシュプロテインバーやサラダ専用かまぼこにも注力する。「お魚のたんぱくで世界を健やかにする」(広報)のが願いだ。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞