
お店の名前は「Patisserie FOSSETTE(パティスリー・フォセット)」。場所は静岡市駿河区聖一色(ひじりいっしき)で県草薙総合運動場からほど近い場所にあります。シックなグレーの外観が目印です。県草薙総合運動場からも程近く分かりやすいロケーションです。
シックな色合いの外観が目印。駐車場は店前に2台あります
店内に入ると店主の山田武司さんが菓子づくりの手を止めてカウンターに出迎えてくれます。修行先で出会った本場フランスの味を引き継いだ伝統的な菓子の豊かで奥深い味わいに惹かれた山田さんは、その美味しさを出身地の静岡の人にも知ってもらえたら…との思いから、コロナ禍の2021年5月に独立。念願の自分の店をオープンしました。
木目の美しい床やカウンターなど木のぬくもりを感じる落ち着いた雰囲気の店内にはサブレなどクッキー系の焼き菓子、パウンドケーキやフィナンシェのほか、クロワッサンや「当店のスペシャリテです」と店主が語るアップルパイ「ショーソン・オ・ポム」も並びます。
「ショーソン・オ。ポム」。一度コンポートしたリンゴを潰して時間をかけて煮詰めたフィリングが入っている。凝縮されたリンゴがサクサクと香ばしいパイのアクセント
焼き菓子の種類は四季折々の旬の食材や「クリスマス」「バレンタイン」などイベントの前後で変わり、例えばバレンタインが気になり始める時期にはチョコレートを使った商品をメインにしたラインナップになります。そんな風にちょっとした変化が訪れる度にあるので、「一期一会の出会いがあるかも!」とワクワクしながら訪れることができるのも、こちらのお店ならではの魅力かもしれません。定番人気の「スコーン」も、夏場は爽やかなレモン、秋冬はシルクスイートや紅あずまなどほっくり蒸したサツマイモ味が登場します。食べる時はトースターで温めてバターを添えて味わうのがおすすめです。
ファンが多い「スコーン」。甘さ控えめで朝食にもぴったり
「カヌレ」はカリッとした歯ごたえがあり、とっても美味!外側の茶色い部分の香ばしさとモチモチした食感でバニラがふんわり香る中身とのコントラストがクセになります。
フランス南西部・ボルドー地方の伝統菓子「カヌレ」
パウンドケーキやクッキーも店主のひらめきで「定番商品」にアレンジを加えたものが時々登場します。筆者はクッキー系の焼き菓子が大好物なので、訪れる度につい多めに買い込んでしまいます。それぞれに特徴があるのでつい何度も手が伸びてしまいますが、どれも甘さ控えめなのが嬉しいポイントです。
クッキーやパイなど焼き菓子各種(季節や繁忙期により品数に変動あり)
定番の「ガレット・ブルトンヌ」(右)と「ディアマン」は個包装のほか、クリアケースに入った商品もあります。
「ガレット・ブルトン」(右)と「ディアマン」
「ガレット・ブルトン」はブルターニュ地方の伝統菓子で、焼き菓子店では定番のメニューです。店によってはラム酒やナッツでアレンジを加えることがありますが、フォセットではザクホロ食感と芳醇なバターの香りを、隠し味の「ゲランドの塩」がきりりと引き立てるシンプルでオーソドックスな味が楽しめます。そして「ディアマン」は円の周りに砂糖をまぶした商品が多いのですが、こちらでは表面に細かな砂糖がまぶしてあります。ダイヤモンドを意味するその名の通り、表面がきらきらと輝いています。子供からお年寄りまで誰もが美味しく味わえるサックリと食べやすいバタークッキーです。
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そして先週訪れた時は、塩キャラメルを絡めたナッツがたっぷりのった定番商品「タルト オ キャラメル サレ」と完熟バナナがのった「バナナタルト」を購入。どちらも素材の風味がアクセントとなっていてタルト生地との相性も抜群。コーヒーや紅茶のお供にぴったりでした。
完熟バナナのタルト(奥)と塩キャラメルナッツのタルト
パウンドケーキも、定番の人気商品です。買い求めやすい1切れごとのカット売りのほか、こちらではパウンド型1本丸ごとを変える「ホールタイプ」もあります。
下の画像のように袋入りで、常時3〜4種類がカウンターに並びます。
以前、チョコレート味とピスタチオ味を購入したことがありますが、どちらもしっとりとなめらかな生地がリッチな味わいでした。すっぽりと収まるおしゃれな箱に入れてリボンを掛けてもらうと、一気に「大人の贈り物」の雰囲気が増します。
箱入りで購入した時の画像。ピスタチオのパウンドケーキ
ピスタチオ風味のパウンドケーキは中が2層仕立てで真ん中に甘酸っぱいラズベリーソースが入っていました。
そして今年の冬は、ジャスミンティーの華やかな香りとレモン風味を組み合わせ、トップ(上の面)に可愛らしいマーガレットの花模様を粉砂糖であしらった何とも可愛らしい新作が登場していました。
「パティスリー・フォセット」のインスタグラムより画像提供
店名のフォセットフランス語で『えくぼ』という意味だと店主の山田さんが教えてくれました。「開店当時はコロナの真っ最中で世の中から何となく笑顔が減ってしまった時期でした。でもお菓子を食べると人って自然と笑みがこぼれますよね。食べた人に幸せな気持ちになってほしいという願いを店名に込めました」―。
店主と話していると、季節の移り変わりや素材の状態に合わせて、無理をしないで少しずつでも丁寧に作った焼き菓子を届けたいという気持ちがじんわりと伝わってきます。「クラシカルな伝統菓子には、現代の技術が生む洗練さや華やかさとは異なるシンプルだけど奥深い味を感じる」とも話していました。
楽しい団欒や自分へのご褒美時間を笑顔にしてくれる素敵なお菓子を探したい時は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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■Patisserie FOSSETTE(パティスリー フォセット)
住所:静岡市駿河区聖一色60-1 コーポ聖北園C
営業時間: 水・木・金10:00〜18:00、 土日祝 10:00〜17:00
(最新情報はインスタで確認を)
定休日:月・火曜(不定休あり)
駐車場:店前に2台







































































