静岡県函南町の工事現場に、静岡県内で初となるAIを使った交通誘導システムが導入されました。警備員の人手不足と誘導中の事故のリスクを減らすことができると期待されています。
<東部総局 青島悠記者>
「函南町の工事現場に来ています。片側交互通行の規制が敷かれていますが、交通誘導を判断しているのはAIです」
片側交互通行の道路に設置されたディスプレイ。車は表示された指示に従い、スムーズに通行しています。静岡県沼津市の警備会社が県内で初めて導入したAIによる誘導システムです。
<トーセイコーポレーション 末川周史AIオペレーター>
「カメラで画像解析を行い、それを元にシステムの方で処理をして、表示板の方で車を誘導する」
カメラが捉えた車の通過状況などをAIが解析し、「進め」や「止まれ」を適切なタイミングで表示します。警備会社がこのシステムを導入した背景には、業界が抱える課題があります。
静岡労働局によりますと、静岡県内の有効求人倍率は全職種が1.08倍なのに対し、保安・警備職は8.76倍。すべての職種の中で最も高く、人手不足は深刻です。
<末川AIオペレーター>
「本来であれば、この環境では3人ほど人数が必要だが」
この現場では本来、3人ほどの警備員が必要ですが、今回、対応しているのは1人。AIの力を借りることで、現場に入る警備員の数を少なくすることができました。同時に、誘導を行うスタッフが交通事故に遭うリスクを減らすことにもつながります。
<トーセイコーポレーション 杉山喜乃代表>
「AIシステムを活用して警備員の安全、省人化、そして付加価値の高いサービスを提供したい。新たな変革になるのでは」
イノベーションで人手不足をカバーする。AIが警備業界の大きな力となりそうです。