リニア中央新幹線の対応をめぐり、静岡県の鈴木康友知事は1月30日夕方、JR東海の丹羽俊介社長と2回目のトップ会談を行い、丹羽社長はリニアが品川から名古屋まで開業した時、静岡県のメリットとして、東海道新幹線の「ひかり」の静岡駅と浜松駅への停車本数を1時間あたり2本に増やす方針を初めて示しました。
30日夕方、鈴木知事との面会に訪れたJR東海の丹羽社長。
<JR東海 丹羽俊介社長>
「当社としては1日でも早く着手したいと考えておりまして、静岡県との対話、丁寧かつスピード感をもってやらせていただきたいと思っている」
<静岡県 鈴木康友知事>
「工事着手の前提となる28の対話項目も4項目が終了し、残り24項目をなんとしても早く終了させ、条件を整えていきたい」
鈴木知事と丹羽社長が面会するのは、知事就任直後の2024年6月に続き2回目です。
リニア中央新幹線の対応をめぐっては、着工の前提条件となる水資源や生態系についての28項目の協議が続いています。そうした中、今回のトップ会談で丹羽社長が示したのは、リニア開業による静岡県のメリットです。
<丹羽社長>
「静岡と浜松に停車する『ひかり』を現在は基本のパターンで1時間に1本のところ、名古屋開業の時点では1時間2本、およそ30分に1本にすることを実現したい」
丹羽社長は、ダイヤを検討した結果、品川~名古屋まで開業した時点で、静岡と浜松に停まる東海道新幹線の「ひかり」を1時間あたり2本に増やす方針を初めて示しました。さらに、大阪まで全線開業した際には静岡と浜松に停まる「ひかり」をさらに増やし、その他の駅の停車回数も増やしたいと述べました。
<鈴木知事>
「相当踏み込んだ回答であったと思う。私としてもびっくりしましたし、ある意味、喜ばしい情報だなと思う」
鈴木知事は、停車本数の増加は大きな経済波及効果があるとした一方、28項目の協議についてはこれまで通り丁寧に続けていくとしています。