11分にコーナーのこぼれ球をFW佐田崇人(大阪・FCリアン)がボレーでたたき込んで勝ち越すと、その後は鮮やかなミドルシュート3連発。MF望月奏来(SALFUS oRs)、MF釜下諒(FC LESTE)、MF松野尚輝(セントラル豊橋)が次々にゴールに突き刺して試合を決めた。

東海大翔洋は伝統的に、新人戦は2年生だけで戦う。昨年の選手権予選やプリンスリーグで活躍したDF岩下雄飛(高槻mydFC)ら1年生は出場していない。サイドアタッカー西田堅翔ら3年生が引退し、今年のチームはサイドを生かした攻撃ではなく、中央から崩していく戦術を志向しているという。
新人戦で指揮を執る佐藤駿介コーチは1−1で終えた前半の戦いぶりを挙げ、「全然駄目だった(笑)。公式戦に慣れていないせいか、多くの選手が緊張で頭が真っ白になっていた」と苦笑い。「後半に入る時は出足、気持ち、球際の勝負だと伝えた。(新人戦では)とにかく経験と自信、成功体験をつけてほしい。思い切って前に出ていく、思い切って足を振るという気持ちの面を修正していきたい」と話した。
FW佐田崇人(大阪・FCリアン)

東海大翔洋の決勝点となる2点目を決めた佐田はワントップの位置で先発し、リードを奪った後半途中からセンターバックへ。攻守で体を張り、チームを勝利に導いた。
佐田の主戦場はフォワードだが、現在は練習試合でも両ポジションでの起用が続いているという。身長178センチ。屈強な体で相手DFを抑えながらボールを収め、攻撃を活性化する。セットプレーからのヘディングには絶対の自信を持っている。
中学時代に、大阪に遠征に来ていた東海大翔洋の練習に参加。「選手や監督の雰囲気が良かったし、学校でも人工芝でやれる環境だったので選びました」。黄色と黒の縦縞のユニホームを着て全国を目指そうと決めた。
昨春一度はトップチームに入ったが、4月以降はセカンドチーム暮らしが続いた。大阪から静岡にやって来た点取り屋の、高校ラストイヤーにかける思いは強い。
「今大会はベスト8までいけば、静岡学園と対戦できる組み合わせ。まずはそこを目標に」。タイガー軍団の先頭に立ち、テクニシャン集団と真っ向勝負する自分を思い描いている。