静岡県は10月29日、熱海保健所管内に住むに80代の女性と賀茂保健所管内に住む80代の男性が、マダニが媒介する日本紅斑熱に感染したと発表しました。2024年に入り、県内の日本紅斑熱の患者は14人となり、これまで最多だった2019年の10人を超えて過去最多となっています。また、賀茂保健所管内に住む80代の女性が2024年4人目の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染が確認され、県はより一層、野外でのマダニ対策を十分にするよう呼びかけています。
県によりますと、熱海保健所管内に住む80代の女性は、10月13日頃に発熱、15日に県外の医療機関を受診しましたが、症状が改善しないため、17日に熱海保健所管内の医療機関を受診し入院しました。
マダニにかまれた自覚も刺し口もありませんでしたが、症状などからマダニが媒介する感染症の疑いで県環境衛生科学研究所で検査をしたところ、23日に日本紅斑熱の病原体遺伝子が検出され、「日本紅斑熱」と確認されました。
女性は日常的に草むしりをしていたことから、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニにかまれ感染したと推定されています。女性は快方に向かっていて、近く退院予定です。
また、賀茂保健所管内に住む80代の男性は、10月17日に発熱、食欲低下、20日に発疹の症状があり、医療機関を受診、入院しました。
男性はマダニにかまれた自覚はありませんでしたが左足首に刺し口があり、症状などからマダニが媒介する感染症の疑いで県環境衛生科学研究所で検査をしたところ、24日に日本紅斑熱の病原体遺伝子が検出され、「日本紅斑熱」と確認されました。
男性は発症前に草刈りをしていたことから、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニにかまれ感染したと推定されています。男性は現在も入院中ということです。
2024年に入ってから県内の日本紅斑熱の患者は、この2人を含め14人となりました。県内の1年間の日本紅斑熱患者は、これまで最多だった2019年の10人を超え、過去最多となっていています。
一方、賀茂保健所管内に住む80代の女性は、10月15日発熱、16日に賀茂保健所管内の医療機関を受診し、17日に入院しました。
マダニにかまれた自覚も刺し口もありませんでしたが、症状などからマダニが媒介する感染症の疑いで県環境衛生科学研究所で検査をしたところ、24日に重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の病原体遺伝子が検出され、「SFTS」と確認されました。
女性は発症前に庭の清掃作業をしていたことから、SFTSの病原体を保有するマダニにかまれたことにより感染したと推定されています。女性は東部保健所館内の医療機関に転院し、現在も入院中です。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染確認は、2024年4人目です。
県によりますと、日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のいずれも重症化した場合は死に至ることもあります。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけて注意が必要で、山や畑などに入る場合は肌の露出を少なくするなど、野外でのマダニ対策を十分にするよう呼びかけています。