"裏金の震源地" 静岡3区・8区では自民新人大敗 「みそぎ」の無所属・宮沢氏も散る「身を律して反省に反省を重ねて」【衆議院議員総選挙2024】
裏金の震源地などとも呼ばれた3区と8区では自民の新人が逆風のなか、大差で敗れました。無所属の宮沢博行さんも国政に返り咲くことはできませんでした。
静岡8区は立憲民主党の源馬謙太郎さんが3回目の当選を決めました。
<立憲民主党 源馬謙太郎氏>
「国民の皆さまから信頼を失わないような皆さまに納得していただける政治環境を作っていきたい」
裏金問題の責任を問われ自民党を離党した塩谷立さんの後継として挑んだ新人の稲葉大輔さん。源馬さんと4万6000票あまりの差がつきました。
(源馬氏 10万8212票、稲葉氏 6万2333票)
静岡3区は立憲民主党の小山展弘さんが4回目の当選を決めました。
<立憲民主党 小山展弘氏>
「『今だけ、金だけ、パフォーマンスだけ』そういう議員は慎んでいただきたい」
自民党の新人・山本裕三さんは知名度不足にも苦しみ、大差で敗れました。
(小山氏 9万2072票、山本氏 6万1599票)
自民党静岡県連の相坂幹事長は、一夜明け逆風の中で戦った新人に対し謝罪の念を口にしました。
<自民党県連 相坂摂治幹事長>
「3区と8区の2人の新人については思いを遂げさせることができなかったことについては県連としても大変申し訳なく思っています。政治資金に対しての議論ばかりがつながっているので、日に日に逆風というか自民党に対する批判の声が強くなっていく選挙だった」
自民3区新人の大敗には「前任者」の存在も大きく影響しました。
<宮沢博行氏>
Q:12日間の戦いはどうでした?
「全力でした。(議員辞職後)ちょうど半年、いろんなことがあったなって思います」
かつて自民静岡3区の支部長を務めた宮沢博行さん。裏金について派閥の指示だったと公言し、その後に女性問題で議員辞職。今回、無所属で「みそぎ」の選挙に臨みました。3万7000票以上を獲得しましたが早々と落選が決まりました。
<宮沢博行氏>
Q:みそぎというテーマではどのようにふり返りますか?
「みそぎという点では民意を得て国政に復帰できるかどうか。結果は結果として受け止めなければならない。ただ、これから先も身を律して反省に反省を重ねていく。それは生涯続くことだろう」
宮沢さんは今後の政治活動については、未定としています。
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
裏金問題で揺れた3区と8区ですが、自民側は新人としては善戦したと思うんですが、結果的に野党が圧勝となりましたね。
<法政大学大学院 白鳥浩教授>
3区の場合は、やはり保守票の分裂というのもあったと思いますが、ただ二人とも新人候補でなかなか選挙区に浸透というのが図れなかった時間が足りなかったということがあると思います。
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
この裏金問題についてSBSとJX通信社の共同調査の結果をまとめました。
<県政キャップ 坪内明美記者>
投票先を決める時、裏金事件を考慮するかという質問に対する有権者の答えです。3区では61%、8区ではさらに多い68%が「考慮する」と答えています。裏金問題などで引退、離党した前任者の後に立った新人は厳しい戦いを迫られました。自民党県連の相坂幹事長も「選挙の進め方については反省すべき点があった」と話しています。
<自民党県連 相坂摂治幹事長>
「選挙の目的は、何かのみそぎではなく、国民生活に直結した物価の高騰問題、それから災害対策、そして経済政策、こうしたことがそれぞれの選挙活動の中で優先的な争点として登場させられなかった」
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
今回、裏金問題というところが大きく出たわけですが、一方で手取りを挙げるということを強く訴えた国民民主党が大きく数字を伸ばす結果となりました。いったい何が争点になったのでしょうか。
<法政大学大学院 白鳥浩教授>
立憲民主党にとっては、やはり裏金というのを争点でしたし、あるいは国民民主党にとってはやはり国民の生活といったことが争点だったんだと思います。そういうそれぞれ違う争点をアピールしながら戦っていった。そういうそれぞれの多様な争点の中で、野党の全体のうねりというのが出てきたというふうに言ってもいいと思います。
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
野党が立憲、国民ともに多角的にアピールしたことで、数字を伸ばすことができたといえるわけですね。
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