2024年1月の能登半島地震の被災地に派遣された“走る調剤薬局”「モバイルファーマシー」の見学会が10月16日、静岡市で行われました。災害発生直後などに効果を発揮するとして、被災地では重宝されています。

10月16日、静岡県庁に展示されたのは、県の薬剤師会が所有する移動調剤車「モバイルファーマシー」。キャンピングカー用の車体をベースに薬局機能を搭載した機動力のある車で、災害時には“走る調剤薬局”として被災地に出向き、医薬品などを供給します。

2024年1月に発生した能登半島地震の被災地にのべ14日間派遣され、あわせて98件の処方箋の調剤を行いました。10月16日の見学会は「モバイルファーマシー」の機能や特徴を医療関係者などに知ってもらうことを目的に行われました。
車内には、無菌で調剤できるクリーンベンチや84ケースある薬品棚、シンクなどが搭載されています。

<静岡赤十字社静岡県支部 鈴木基幸救護係長>
「能登半島地震にもこの車両が出て行ったことを伺って。普段飲んでいる薬を、薬剤師の方がその場で調剤してくれるのは、非常に心強かったのではないかと思った」
さらにソーラー発電機や給水タンクなども備えていて、電力や水がない場所でも自立的な調剤が可能です。

<県薬剤師会 栗田浩幸専務理事>
「今回の能登半島地震だと、薬局が少ないということがあって。薬を仕分けしておけるので、非常の効率良く調剤ができて、災害時の初期の段階においては、効果がある」
今後も、被災地での活躍が期待されています。今回の能登半島地震の被災地には、静岡をはじめ各地の移動調剤車が出動しました。災害で自宅から薬が持ち出せなくなった被災者は多く、さらに医療機関や調剤薬局が被災し、薬を出せないケースもありました。