「困っている人を助ける気持ちを持ってほしい」食品ロスの現実 子どもたちに絵本で伝える【SDGs】
6月に出された絵本「たべものもったいない」です。作者は、静岡県伊豆の国市の男性。子どもたちに食べ物の大切さを伝えています。
静岡県伊豆の国市の図書館です。
<読み聞かせ>
「だるちゃんはこうじょうやはたけおみせをまわってたべものをあつめましたあつめたたべものはふくろにいれてふうせんにつけてとばすことにしました」
絵本の主人公は、ダルマのだるちゃん。まだ食べられるのに捨てられてしまうパンやとれすぎて買ってもらえないキャベツを困っている人に届けたい。そこで、余った食べ物を風船に付けて飛ばし、世界中に届けるストーリーです。
伊豆の国市の風景も挿入し、地元の子どもが親しみを持てる絵本になっています。
Q.テレビカメラの前で描くのは初めてですか?
「いや、もちろん、フフフフ」
伊豆の国市に住む会社員 稲葉健一さん(51)です。世界には飢えに苦しむ人が8億人もいるのに「食品ロス」が年間数十億トンも出ている現実を新聞で知り、衝撃を受けたといいます。
<稲葉健一さん>
「何ていう矛盾なんだろう。ものすごい憤りというか、何て人間って無駄なことをしているんだろうと。特に(飢餓で)亡くなっていく子どもたちがいるっていう事実があったので」
そこで稲葉さんは、子どもが小さい頃にいたずら書きをしただるまをキャラクターにして2017年11月、「たべものもったいない」を電子書籍として公開。9万人以上に読まれる人気作となりました。そして、2024年6月1冊の注文から製本できる通販サイトを通して書籍化し、これまでに約100冊が売れました。
<読み聞かせをした人は>
「やさしい絵なので小さい子どもでも『たべものもったいない』と、その後の支援の方法まで伝わったと思う」
<小学4年生>
「世界中には、食べ物がない人がいっぱいいるんだな、ということを初めて知ったから、食べ物を残さないようにしたいと思った」
<小学2年生>
「世界には食べ物が食べれない子がいたことは知ってたけど、あんなにいっぱいいたなんて知らなかった」
稲葉さんが絵本に込めた思いは 子どもたちに届いています。
<稲葉健一さん>
「困っている人を助けてあげようという気持ちをもってもらいたいというのと、同じぐらいの年の子が一生懸命少ないごはんを食べながら働いてとったものをおやつとして食べているかもしれない。そういう想像力を働かせて世界に目を向けてほしいですね」
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