「研究者ですら像の細かいところは見ることができない」文化財を3Dデータに記録 最新技術を魅力発信と修繕の力に=静岡県

普段は正面からしか見ることのできない貴重な仏像。先端技術によって、360度どこからでも見ることができるようになります。静岡県は国や県の指定文化財の3Dデータの計測を始めました。

奈良時代に開かれたとされる静岡市の「建穂寺観音堂」。60体の仏像が大切に保管されています。ターンテーブルに置かれ、ゆっくりと回る不動明王立像。9月17日、さまざまな方向から撮影した写真によって、3Dデータが記録されました。

静岡県は、この3Dデータにより保存上制約のある文化財の価値や魅力を発信するため、国や県の指定文化財32体を対象に3Dデータの計測を行うことになりました。

<静岡県文化財保護審議会 田島整委員>
「研究者ですら、像の後ろとか細かいところは見ることができない。3Dになるとあらゆる方角から見ることができる」

記録された3Dデータは災害で被災した際に修繕に活用できるほか、公開が難しい文化財のレプリカをつくり、一般公開することも可能になります。

<静岡県文化財課 鈴木安由美課長>
「フィギュアに加工することができる。(目に)障がいのある方などは実際、目では見られないが、手で触れて体験して頂くことができるので、今後はこういったものを学習などに活用できていくのではないか」

静岡県は10月24日までデータの計測を行い、2025年1月に県のホームページで公開するということです。

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