6月16日、静岡県富士宮市内で、シカを捕獲するためのワナに野生のツキノワグマがかかりました。クマの目撃は富士宮市だけで2024年度すでに9件にのぼり、各地でクマの出没が相次いでいます。
大きく揺れる木の枝。その後ろでうごめく黒い影は…クマです。
<第一発見者 遠藤達夫さん>
Q.どのあたりでクマに気付かれた?
「ここまで来たら、ここにいた」
Q.え!ここにいたんですか?
「この木に登って、そして暴れていたもんで」
16日、富士宮市白糸地区で農業を営む遠藤さんが水田の様子を見に行くと、罠にかかったクマを発見。クマは、シカを捕獲するための「くくりわな」に足がかかっていたため、駆け付けた獣医師が麻酔銃で眠らせました。
「(手の大きさは)15.1センチ、幅は8.0センチ」
「眠ってるわ」
捕獲されたのは、体長1メートル29センチ、体重44キロの大人のオスのツキノワグマでした。
<第一発見者 遠藤達夫さん>
「本当の一声は『え、何これ!』っていう感じ。昔からここにクマなんていないから」
個体数が少ないツキノワグマは、静岡県内では狩猟を自粛しているため、クマは山林に放されたということです。13日は静岡市の山間部でもクマが目撃されていて、市内の目撃情報は18件を数えます。今回、ツキノワグマが発見された富士宮市では、2024年度すでに9件。市も対応に苦慮しています。
<富士宮市農業政策課 芦澤昌洋林業係長>
「錯誤捕獲って言って、間違って(シカの罠に)かかることは過去あったんですけど、これだけ民家に近いところでクマがかかってしまったってことは、とても驚いたりびっくりしてる状況です」
市はクマの出没について正確な原因は分からないとした上で、今後、同報無線での情報発信やパトロールの実施なども検討するとしています。