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「自ら情報を取りに行く」能登半島地震で活躍した無人ドローン 南海トラフ巨大地震に備え、静岡県内でも整備進む【わたしの防災】

能登半島地震では、強い揺れや津波によって交通網が寸断される中、被害状況を調べたり支援物資を運んだりする手段として「無人航空機ドローン」が活躍しました。改めて脚光を浴びたドローン。南海トラフ巨大地震が想定される静岡県内でも整備が進められています。

3月はじめ、静岡市から沼津市戸田に無人航空機ドローンを飛ばす静岡県の実証実験が行われました。

<ドローン運航会社のスタッフ>
「対岸から無事届きました」

ドローンは駿河湾を越えて、手術で使う医療用器具を運びました。

<協和医科器械沼津支店 真野晟亜さん>
「先日の能登半島地震の際にも、陸路も海路も無くなってしまい、空しかないと思う。もし災害時に伊豆半島が孤立してしまった際には、今回のようにドローンを活用して、医療を止めないでいけたら」

最大震度7の揺れが襲った1月の能登半島地震。道路網が被害を受けたうえ、津波が襲ったことで船での支援も難しい大規模災害となりました。

南海トラフ地震に備える静岡県も、同じ事態が想定されています。

<静岡県危機管理部危機対策課 百瀬尚至課長>
「能登半島で発生しました道路の寸断とか、あるいは孤立集落の発生で、静岡県でも同じ状況が起きるところがやはり懸念される。県でも(災害対策用)ドローンの導入を進めており、小型で操作性の高い撮影用のドローンを県下各地域局と県庁に14機配備しました」

<金原一隆記者>
「こちらが静岡県が2023年度導入した災害対策用のドローンです。機体のこの部分が災害情報を撮影するためのカメラになっています」

富士山周辺から伊豆北部を管轄する東部地域局には5機。伊豆南部の賀茂地域局に2機など、県内にまんべんなく14機のドローンが配備されました。さらに…。

<静岡県東部地域局危機管理課 鈴木光真さん>
「私は去年の10月、ドローンを飛ばす免許のための講習を修了しました」

ドローンを機動的に飛ばすため、県職員15人がドローンの免許国家資格をとりました。

<静岡県危機管理部危機対策課 百瀬尚至課長>
「令和4年(2022年)9月、台風15号によって県内各地大きな災害発生しましたが、孤立集落の情報など、市町からの情報がなかなか集めるのに時間を要したという状況もあった。そうした教訓を踏まえ、自ら情報を取りに行くというような情報収集の業務も担っていく」

2022年9月の台風15号では、被害が広い範囲にわたり、何が起きたのか把握することが困難でした。この教訓から、県は市や町をサポートする「市町支援機動班」を新設。車も船も使えない地震の後も対応が可能な“空からの災害対策”としてドローン整備を進めました。

県が3月行ったドローンの実証実験での映像です。救援物資を積んだドローンが駿河湾を越えて30キロ離れた伊豆市土肥まで飛びました。非常食の乾パンなどを目的地におろすことができました。

今回の能登半島地震。孤立集落が発生した石川県輪島市では、ドローンが実際に医薬品を避難所に運びました。

<静岡県危機管理部危機対策課 百瀬尚至課長>
「本県といたしましても緊急物資を運ぶ物資運搬用のドローンを配備することとし、2024年度配備する予定となっている。孤立集落に対する支援を強化してまいりたい」

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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