寒くなるこれからの季節、多くの静岡県民が食べたくなるのが「静岡おでん」です。その静岡おでんに異変が起きています。

<客>
「やっぱりね、黒はんぺんと牛すじとダイコン、これが静岡おでんの三点盛ですね。それにこの静岡特有のお茶割り、これが最高です」
肌寒くなるこの時期食べたくなるのがアツアツの静岡おでん。
しかし、おでんの具に異変がー。

静岡市葵区にある居酒屋の店主によりますと夏ごろから牛すじは20%ほど仕入れ価格が上昇。
ちくわなどの練り物は仕入れ値こそ変わらないものの、一回り小さくなったということです。
その中でも深刻なのがー

<居酒屋どみんご 山崎真紀店主>
「ダイコンが急に値上がりした時はビックリした。こんなに高いの?と思って」
静岡市葵区の「青葉横丁」にある静岡おでんの店。
<記者>
「いや大きいダイコンですね」
<居酒屋どみんご 山崎真紀店主>
「でっかいですよ~でかいからこそダイコンがないと困っちゃうんですよ」
1串100円で提供している、おでんの主役・ダイコン。実は今「ダイコン」が高騰しています。

静岡市の青果店を訪ねるとー
10月17日時点でダイコンは1本350円。

<カネタツ菅原純佳代表>
「通常のこの時期に比べると(350円は)ちょっと高め」
Q.例年は?
「180円~280円ですかね。この値段だと、なかなか買えないっていう方もいる」
<客>
「高いですよね」
Q.ダイコンを買う頻度は?
「減りましたね、確かに」

農林水産省の調べでは、全国のダイコンの小売価格は平年比で129%と値上がりしています。
価格高騰の原因となっているのが2023年夏の“異例の暑さ”です。

箱根西麓三島野菜のひとつ「三島大根」を代々育てている宮澤竜司さんの畑では、これから出荷の最盛期を迎えますがー

<ダイコン生産者 宮澤竜司さん>
「これぐらいの(小さい)サイズがあったり、ちょっと隣で、曲がってる、“えくぼ”みたいなものが出来たりとか。今年の猛暑でもろに影響を受けている」

宮澤さんによりますとダイコンの成長に最も適した気温は25℃前後。
2023年は35℃以上の猛暑日が続き、小ぶりなものや変形してスーパーなどには出荷できないダイコンが多いといいます。
<ダイコン生産者 宮澤竜司さん>
「味自体は変わらない。自分たちは捨てずに、料理で使っていただけるように出荷はしているんですけれども」

スーパーなどに並べることのできないダイコンは食品加工会社などに卸し、少しでも生活の足しにしようとしていますがー
<ダイコン生産者 宮澤竜司さん>
「収入が安定しない。我々生産者としては今年だけであって欲しいと願う」
ダイコンの高騰はいつまで続くのか。

JA静岡経済連によりますと「11月頃には価格が落ち着いてくるのではないか」ということです。
一方で「2023年の猛暑は本当に異例でダイコンの生育について想像もできなかったような事が起きている可能性もある」ということです。