清水エスパルスの大一番へチョン・テセさんがエール 町田相手にはロングボールで裏狙え!
町田の守備は前線から追い回す
ヒデ:テセさんは2021年、2022年に町田ゼルビアでご活躍しました。このときの町田はどんなチームでしたか。テセ:そのときは、つないで裏を取るという、どちらかと言えばパスサッカーの方が重要視されていました。ただ、全然うまくいかなくて、改革のためにスタッフや強化部、選手がかなりガラッと変わりました。選手に関しては、15〜16人退団して15〜16人が入ってきた。試合もちょいちょい見に行きましたが、全く違うチームになってましたね。
鬼頭:先日は、ジュビロ磐田−町田ゼルビア戦がありました。磐田は2つのPKを与えて、1−2で敗れました。
テセ:町田が強かったです。町田の黒田剛監督は元青森山田高校の監督でした。青森山田のサッカーを町田ゼルビアでそのままやっている感じですね。
ヒデ:以前テセさんが在籍していたときとは違うサッカーを黒田さんがやっていると。
テセ:だから斬新ですよね。強化部は監督の人選に結構迷っていたみたいなんですけど、黒田さんになって大正解でしたね。
鬼頭:高校サッカーで10代の子たちに通用したマネジメントがプロの試合でも通じるんだなって。素人からすると「へ~そういうもんなの?」って思うんですけど。
テセ:「プロでは無理でしょ」ってみんなが思ってたんですよ。僕も正直思ってたし。ただ、もう結果が出ちゃってるんで。黒田監督の話を聞くと、すごくチームの和を大事にするらしいんですよ。チームの和を乱すような選手や、前半交代して態度に出した選手とか、反抗的な態度を出した瞬間にすごく怒られるらしいんですよね。
ヒデ:高校サッカーの規律みたいなものをしっかりと残して、プロの世界で実践している。どうなんだろうと思ったら、結果出しちゃってますもんね。
テセ:みんなあっけにとられてるんじゃないですか。「いや、無理でしょ」って思ってたのに、「結局一番大事なのはそこなんだね」っていうのを思い知らされたと思いますよ。
鬼頭:これがどのチームでも通じるものではないんでしょうけれど、今のメンバーにははまってるってことですよね。これを清水エスパルスやジュビロ磐田、藤枝MYFCでやって成功するかは分かりませんよね。
テセ:分からないです。それはもう縁ですね。
ヒデ:黒田さんとは、監督やる前からちょっと仲良くさせてもらっていました。黒田さんは吉本興業なんですよ。うちの事務所がマネジメントをやってて、僕は黒田さんの1つ下になるんですよ。
開幕前に「ぶっちゃけどんなサッカーをやるんですか」っていうのをお聞きしたら、「取り急ぎやるのは、がっつり守る」と。守り重視。これをやらない選手はまずピッチに立てないみたいなことをおっしゃっていました。
テセ:まさにそうですよね。でも守り一辺倒ではないですけどね。守るっていうのも、前線からどんどん追い回して守るっていうことだと思うんですよ。ビルドアップで取られて失点するのがすごい嫌らしくて、とりあえずボールを持ったら前線の2人に蹴って、あとはどうにかしてっていうサッカーがはまってますよね。だから前の運動量が相当すごい。
ヒデ:理想は、シュートで終わらせろと。
テセ:はい。守備で追い回して、ボールを持ったら休む間もなく裏に走るんで、体力的には前線は相当きついんですよ。
清水のキーマンは山原だ!
ヒデ:19日には清水−町田戦があります。テセ:選手のクオリティで見たら、清水に勝てるチームはJ2ではいないと思います。選手層もそうだし、誰が出ても同じような活躍ができると思うし。今の監督になってから、試合のパフォーマンスも良いし安定感もあるし、連勝しているし。
うまくいかない時期ももちろんあったとは思うんですが、前回の町田−清水戦を見に行った時は、もう清水は良かったですよ。全然圧倒される感じじゃなかったですよね。
ヒデ:そんな中でキーマンとなる選手は。
テセ:清水は山原怜音選手ですね。やっぱり昨年の山原選手のパフォーマンスには度肝を抜かされたし、J2に落ちれば移籍するなって思うぐらいだったので。その選手が戻ってくるってことはエスパルスにとってはいいことしかないでしょうね。
鬼頭:一方の町田のキーマンになりそうな選手は。
テセ:町田は藤尾翔太選手です。元々はミッチェル・デューク選手と、エリキ選手が前線でめちゃくちゃ戦ってたんですよね。その中で藤尾選手はなかなか出場機会がなくて、すごく悩んでたんですよ。
でも最近デューク選手が怪我をして、藤尾選手に出番が巡ってきた。僕が見ても「すごいね」って思うぐらい、めちゃくちゃいいんですよ。自分は引退してからサッカーしたいと思ったことがなかったんですけど、藤尾選手のプレーを見て現役復帰したいと思ったぐらい、心を打つプレイヤーですね。悔しかった時間を今にぶつけている感じが見えるんですよ。
鬼頭:個人的に思うのは、ずっと首位を走ってきた町田でも選手の入れ替えが結構激しい。
テセ:そのときに調子の良い選手を使っているし、(東京Vから)バスケス・バイロン選手を取ったり。その移籍は物議を醸しましたが、プロではそうするべきなんですよ。ライバルの主力を取るっていうのが必要なときもあるんですよ。
ドイツでは、バイエルン・ミュンヘンがドルトムントから選手を取っちゃって、国内で最強になる。そういうのもまた必要だと思う。
引退後は筋トレの日々「現役のときよりコンディションいい」(笑)
ヒデ:リスナーから質問です。「お休みの日に何をしていますか」
テセ:休みの日も休みじゃない日も、筋トレします。日本ではあんまり流行ってないですけど、「クロスフィット」っていう全身を使うサーキットトレーニングがあるんですよ。韓国でも流行っていて、めちゃくちゃきついですよ。
例えばダンベルとかバーベル、鉄棒、縄とかを使って走ったり、それをサーキットトレーニングみたいにやるのがあって、マジできついんですよ。だから今の僕のコンディションは現役のときよりはいいですね(笑)。
鬼頭:もう1つ、質問が来ていますよ。「今、芸能活動をなさってると聞いてます。具体的に韓国でどんな芸能活動を行ったんですか」
テセ:韓国の番組はすごく多様化されてて、バラエティーやリアルバラエティー、トーク番組やサッカー番組もある。本当にいっぱいあって、それが地上波で流れるんですよ。僕がレギュラーで出させていただいているのは、サッカーやフットサルの番組。その中で、1つのチームの監督をしてます。
ヒデ:やりがいはありますか。
テセ:あるんですけど、僕は自分を責める性格で…。負けたときは本当に全部背負うタイプだから、監督になったらもう抱えきれないですね、苦しすぎて。でもやっぱり楽しいです。
町田戦の必勝ポイント、ポゼッションにこだわるな!
鬼頭:これもリスナーから。「エスパルスが町田に勝つために必要なポイント、ここをつけば崩せるっていうとこを聞かせてください」テセ:あまりポゼッションにこだわらない方がいいかもしれないですね。相手が前から追ってくるし、多分90分通して前線からのプレッシャーが激しいんで、ある程度ロングボールを併用しながら、裏を狙いながら効率的にゴールを狙った方がいいですね。
町田は中盤とか前線の守備がやっぱり強いんですよ。なので、そこを一つ飛び越えてディフェンスの裏で相手が不利な状況でボールを所有するのがいいと思います。できるだけ早くディフェンスの裏を取りに行く。それがポイントになるかなと思います。
ヒデ:本当に俯瞰で見てる人なんだなって改めて思いましたね。最後に、リスナーにメッセージをお願いします。
テセ:エスパルスも軌道に乗っているし、ジュビロも調子いいですよね。一人一人の応援が心に響いてるからこそ、今の結果があるっていうのは間違いない。これから先も同じように応援していただければ、各クラブの力になると思います。これからもよろしくお願いします。
サッカー大好き芸人、ペナルティ・ヒデと、サッカー中継のリポーターとしても活躍する鬼頭里枝の2人がお送りする番組。Jリーグから海外サッカー、ユース世代、障がい者サッカーなど幅広くスポットを当て、サッカーを通して静岡を盛り上げます。目指すは「サッカー王国静岡の復権」です!