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脱炭素加速へ地方産業集積 政府GX会議の論点判明 太陽光利用拡大、原発も

 政府が、脱炭素化の取り組みを加速させるため近く再開する「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」の論点案が11日判明した。データセンターなど大量の電力が必要となる各地方の産業集積地を見定め、送電網整備などを進める方向性を明記。普及が期待される次世代太陽電池への集中投資や、原発も含めた「脱炭素電源」のさらなる活用方針を盛り込んだ。

首相官邸
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 会議の開催は昨年12月以来。岸田文雄首相が出席する会議を今月13日に開き、年内をめどに具体的な方向性を示す見通し。原発政策の在り方や産業集積地への支援策などが焦点となりそうだ。
 論点案によると、会議では、データセンターや半導体工場など大量に電力を消費する産業集積地を「脱炭素産業ハブ」と命名。国が水素・アンモニアなどの供給拠点と合わせて支援を検討することで、企業が投資しやすい環境を整える。
 再生可能エネルギー関連では、折り曲げて窓ガラスなどのさまざまな場所に設置できるペロブスカイト太陽電池や、風車を海に浮かべる浮体式洋上風力発電が切り札となっており「大型プロジェクトを集中支援」する。
 二酸化炭素(CO2)の排出量を売買する「排出量取引制度」については、2026年に企業の参加を義務化するよう法整備を進めることを明記。排出量取引制度を運営する「GX推進機構」が7月1日から業務を始め、企業の脱炭素関連投資の債務保証などを進める。
 岸田政権はGX実行会議を22年7月に設立。同12月に決定した基本方針で原発と再エネの「最大限活用」を明記し、東京電力福島第1原発事故後に原発の依存度低減を掲げてきた政策を、転換させた。

 <メモ>GX(グリーントランスフォーメーション) 化石燃料から再生可能エネルギーなどクリーンエネルギー中心の社会・経済構造に転換させていく取り組み。環境に優しいという意味の英語「Green(グリーン)」と、変化を意味する「Transformation(トランスフォーメーション)」を組み合わせた。政府は脱炭素化に今後10年間で150兆円超の官民投資が必要と試算し、うち20兆円規模を「GX経済移行債」で調達する計画だ。

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