"安全文化の劣化"どこまで「深刻さを確認する」原子力規制委が再稼働審査“凍結”を正式決定 中部電力の対応に「地域軽視」の指摘も 浜岡原発データ不正問題

原子力規制委 審査"凍結"を正式決定

静岡県御前崎市にある浜岡原子力発電所の再稼働審査をめぐり、中部電力がデータを不正に操作していた問題で、原子力規制委員会は、審査の"凍結"を正式に決定しました。

規制委員会は、今後「安全文化の劣化の深刻さを確認する」としています。

<原子力規制委員会 山中伸介(やまなか・しんすけ)委員長>
「原子力あるいはその土建部という矮小化した範囲に限らずに、中部電力全体についての検査を視野に入れて、きちんと徹底的に調べていただければ」

2026年1月14日の原子力規制委員会で追及されたのは、中部電力の安全文化です。

この問題は、浜岡原発3号機と4号機の再稼働をめぐる審査で、中部電力がデータを不正に操作し、意図的に地震の揺れを小さく見せていた疑いが発覚したものです。

規制委員会は、審査を白紙に戻す見通しを示していましたが、1月14日「資料の信頼性が損なわれている」として当面の中断を正式決定。

さらに中部電力に対して、事実関係や原因などを調査して報告するよう「報告徴収命令」を出しました。事実関係については、今年度中の報告を求めています。

中電・林社長が地元自治体に謝罪へ

<御前崎市 下村勝市長>
「重い判断がされることは予想していました」

浜岡原発が位置する静岡県御前崎市の下村市長。1月15日に中部電力の林欣吾(はやし・きんご)社長が謝罪に訪れます。

<下村市長>
「安全の根幹にかかわる部分で信頼性が揺らいでいるというところに対して、いろんな意味で状況を再確認しなければならないという認識をしました」

浜岡原発をめぐっては、2011年の東日本大震災を受けてすべての原子炉が停止。

再稼働に向けての安全審査を申請したのは、2014年のことでした。

<中部電力の担当者(当時)>
「今回申請をしたから、あるいは申請をしないからということにかかわらず、安全に天井はございませんのであらゆる対策を講じていく」

安全に対するこだわりは、どこで不正に変わったのか。

「信頼関係を覆す由々しき事態」地元から厳しい声

地域との関係修復に向けて中部電力の謝罪は続きます。

<中部電力 豊田哲也原子力本部長>
「杉本市長を始め、地域の皆様に多大なる心配、不安をかけたことを心よりお詫びする。申し訳ございませんでした」

<牧之原市 杉本基久雄市長>
「これまで築いてきた信頼関係を覆す由々しき事態だと思っている。さらには我々の方から説明を要請しなければ(中電側が)来ない。市民も不安に感じている。しっかり誠意を示してもらいたいし、安全対策も講じてもらいたい」

問題発覚後に浜岡原発に来たのに...

また、さらなる怒りを買ったのは、中部電力の社長の対応。

データ不正問題発覚から2日後の1月7日、林欣吾(はやし・きんご)社長が浜岡原発を訪れていたことが明らかになりました。

その際、浜岡原発が位置する御前崎市や周辺自治体には、立ち寄っていませんでした。

<杉本市長>
「林社長はあす(1月15日)謝罪に来るといっているが、実は浜岡に7日に入っていたというのは地域をないがしろにしている。信頼関係を裏切る。事後についても不適切」

市民からも怒りの声がー。

<地元市民>
「真っ先に地元に来るべき。地元があっての中電ですのですみやかに対処してほしかった」

<地元市民>
「やっぱり本部が名古屋でしょ。遠くのことだし自分たちのことしか考えてない」

政治も揺るがす審査の"凍結"

組織の安全文化に疑問を投げかけられた形の中部電力。規制委員会による審査の“凍結”の決定は、政治も揺るがしています。

<自民党の特別委委員長 細野豪志衆院議員(静岡5区)>
「極めて深刻な事態。中部電力にはまず猛省を促したい。そして体制の抜本的な改革をやってもらいたい」

自民党は1月14日、緊急の特別委員会を開き、委員長の細野豪志衆院議員が語気を強めました。

<自民党の特別委委員長 細野議員>
「しっかりとした原因究明と信頼回復をしなければ、再稼働というのはあり得ない話です」

規制委員会の判断に静岡県のトップはー

<静岡県 鈴木康友知事>
「審査の前提条件が崩れたということですので、1度ここはストップして、もう1回見直すということはまさに妥当なことだと思う」

規制委員会は、今後、中部電力への立ち入り検査も決定しました。

<原子力規制委 山中委員長>
Q. 経営層含めて安全文化の検証までたどり着けるのか?
「安全文化の劣化がどの程度の範囲で、どの程度深刻なものであったのか、検査の中で確認できるものと確信している」

今後の動きは...

今後の動きです。

原子力規制委員会は、早ければ1月中にも中部電力本店に立入検査を行う可能性があるとしています。また、必要に応じて、浜岡原発への立ち入り検査も行う可能性があるとしています。

中部電力の林社長は、謝罪と説明のため、1月15日に御前崎市、菊川市、牧之原市、掛川市を訪れる予定です。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

あなたにおすすめの記事

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1