「距離は離れていてもひとつになれる曲を」新入社員にベテラン、社長も!世界中の従業員で奏でた『September』ヤマハが今年も設立記念日に“MV”を発表

企業の創立記念日といえば、永年勤続表彰や社長表彰などを行う式典や社員食堂がある企業では、無料でランチを振る舞ったり―といった催しが一般的でしょうか。

10月12日に設立記念日を迎えた楽器メーカーのヤマハ(本社・浜松市)では、「YAMAHA DAY」と銘打ち、さまざまな社内イベントを行いました。中でも、注目を集めたのが「Our Music」。従業員が演奏した動画をもとに、1本のミュージックビデオ(MV)を制作するという、世界的楽器メーカーならではの企画です。

「Our Music」がスタートしたのは、コロナ禍の2021年。従業員が一堂に会する対面型イベントの開催が厳しい中、たとえ集まることはできなくても、音楽でつながることができる、と企画したといいます。

エレキにピアノにリコーダー⁉

世界29の国や地域にあるグループの全従業員が参加対象。まず、その年の1曲を決め、各々が楽器を演奏し、撮影した動画を持ち寄って、1本のMVにまとめ、設立記念日にあわせて公開しています。

記念すべき初回は、ヤマハ音楽教室のCMでもおなじみのドイツ民謡『池の雨』をモチーフにしたオリジナル曲『Good to see you, music』。前回の2024年は、スキマスイッチの『全力少年』をみんなで奏でました。

今回は、事前に従業員にアンケートを取り、世界中の誰もが知る名曲であり、多彩な楽器で演奏できるとして、世界的バンド「アース・ウインド & ファイアー」の代表曲『September』に決定。事務局の藤田みなみさん(26)は「『音楽でひとつになる』がテーマ。距離は離れていてもひとつになれる曲を選んだ」と話します。

中国の関連企業から届いた動画が特に印象に残ったという事務局の藤田みなみさん

ヤマハでは、従業員の多くが何らかの楽器を演奏した経験を持つといいます。7月から募集をかけると、世界から約200もの動画が集まりました。参加した従業員も、新入社員からベテランまで幅広く、「実際何人が参加していただけたかわからない」(藤田さん)ほど。

エレキギターやベースギター、ドラムなど本格的なバンドスタイルで演奏する人もあれば、ピアノに、トランペット、サックス、チェロ、さらには、鍵盤ハーモニカやリコーダーを奏でる従業員の姿も。まさに多種多彩、もちろん使った楽器は、自分たちの手で作ったものばかりです。

世界各国で働く従業員から約200もの演奏動画が集まった

国内屈指のアマチュアバンド「ヤマハ吹奏楽団」も参加したほか、学生時代、トランペットの演奏経験を持つという山浦敦社長(58)は、電子楽器のフィンガードラムを披露しました。

「すべての映像を…」

さらに、歌ったり、曲に合わせて踊ったりと、さまざまな表現で、世界中で愛され続ける名曲を奏であげ、1本のMVが完成しました。「とにかくすべての映像を使い切ることにこだわった」と藤田さん。「YAMAHA DAY」の藤田一輝実行委員長(38)も「世界中の誰もが知っている曲にチャレンジしたかった。楽器や歌などで自分を表現するヤマハらしさが出せたのではないか」とMVの出来栄えに胸を張ります。

山浦社長(写真右)はフィンガードラムで参加

『September』のMVは、10月14日からヤマハのコーポレートサイトなどでフルバージョンを公開します。

今年の「YAMAHA DAY」は工場でも

2018年から始まった「YAMAHA DAY」の催しは、従業員の声から今回初めて“工場開催”、静岡県磐田市の豊岡工場で行いました【動画あり】。これをきっかけに、工場労使共催の「秋祭り」が開かれました。

2025のテーマは「宴」。会場では、従業員有志による吹奏楽バンドやビッグバンドのライブが繰り広げられたほか、社員やゲストが出演するインターネットラジオ放送も行われ、仕事を終えた従業員が食堂に集い、同僚との親睦を深めました。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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