真っ昼間の沼津駅近くで…焼き肉店にシカ突入 「ガラス突き破って店内へ」

被害店舗の防犯カメラが捉えたシカ=5日午後0時50分ごろ、沼津市高島町(店からの提供) 5日正午ごろ、沼津市高島町の飲食店「溶岩焼肉 朱」の近くにいた通行人から「店舗の出入り口のガラス戸を突き破って、シカのようなものが突っ込んだ」と110番があった。駆け付けた沼津署員が店内にいたシカ1頭を確認。地元猟友会などでつくる市鳥獣被害対策実施隊と署員で取り押さえ、ロープで縛って捕獲した。けが人は確認されていない。
 市や実施隊によると、雄のニホンジカとみられ、体長約1・5メートル。同署によると、同店は営業時間外だった。被害予防のために現場周辺を一時、立ち入り規制した。
 現場はJR沼津駅から北西に約250メートル。高木純店長(52)は「なんでこんな街中に、しかも昼間に出たのか」と驚きを隠せない様子だった。店内には暴れたシカの毛や血痕、壊されたガラスの破片や備品などが散乱していた。捕獲に携わった佐藤辰夫さん(72)=駿東猟友会沼津支部長=は「野犬に追われるなどしなければ、市街地まで下りて来ることはほとんどないのだが」と戸惑いをみせた。
■漂う獣臭、ガラス片散乱 被害の店長がく然「なぜこんな町中に」
 店内の床には壊された入り口のガラス破片が飛び散り、暴れたシカの毛や血痕も飛び散っていた。獣臭が漂う中で被害店舗の高木純店長(52)は「なんでこんな町中に、しかも昼間に出たのか」と驚きを隠せない様子だった。
 高木店長が知人から連絡を受けて駆けつけた際、店の周辺には警察による規制線が張られ、多くの通行人が足を止めていた状態。高木店長は規制線の外からスマホで店内の防犯カメラを操り、シカの行動を店内の警察官らに伝えて確保につなげた。ただ、店内の荒れた様子にはがくぜんとしたいう。
 店舗は今後しばらく休業し、保健所に相談をして消毒や壁紙の張り替え、入り口の扉の修理など、必要な対応を取るという。高木店長は「営業再開の見通しも被害金額もわからない。予約してくれていたお客さまには申し訳ないが、再開まで待ってくれるとうれしい」と話した。

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