朝霧高原の火入れで茅の保管庫に延焼 富士宮、防火帯飛び越えか けが人なし

火入れがかやの保管庫に延焼し火災となった現場=5日午後4時26分、富士宮市根原(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から) 5日午後2時45分ごろ、富士宮市根原の朝霧高原茅(かや)場で行われていた毎春恒例の火入れ行事の火が燃え広がり、茅の保管庫を焼いた。けが人はいなかった。目撃者によると、火が幅約10メートルの防火帯を飛び越えて保管庫の屋根に落ちた可能性がある。
 保管庫は火入れ行事を行うススキ草原約52ヘクタールの内側に位置する。火入れを取り仕切る市によると、周辺への延焼を防ぐため、除草による防火帯が草原の外周に加え、保管庫の四方に事前に設けられていた。当日は静岡・山梨県境地点から南に歩きながら火を付け、根原区民のほか、市消防本部や消防団など100人超が水のうを背負い、火の近くで延焼の警戒に当たった。
 保管庫は火入れ区画の南部で、かつて酪農舎として使われていた。参加者の1人は「着火した午後1時ごろと比べ、最終盤は風が強くなった」と振り返った。
 現地は根原区財産区の所有地で文化庁の「ふるさと文化財の森」に設定されていて、ススキは文化財建造物の修復に活用される。火入れは景観保全と自然植生の維持が目的で、300年余りの歴史がある。

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