
保管庫は火入れ行事を行うススキ草原約52ヘクタールの内側に位置する。火入れを取り仕切る市によると、周辺への延焼を防ぐため、除草による防火帯が草原の外周に加え、保管庫の四方に事前に設けられていた。当日は静岡・山梨県境地点から南に歩きながら火を付け、根原区民のほか、市消防本部や消防団など100人超が水のうを背負い、火の近くで延焼の警戒に当たった。
保管庫は火入れ区画の南部で、かつて酪農舎として使われていた。参加者の1人は「着火した午後1時ごろと比べ、最終盤は風が強くなった」と振り返った。
現地は根原区財産区の所有地で文化庁の「ふるさと文化財の森」に設定されていて、ススキは文化財建造物の修復に活用される。火入れは景観保全と自然植生の維持が目的で、300年余りの歴史がある。