7月25日 朝の編集長セレクト
おはようございます。高校野球静岡大会はきょうは一日お休み。あす準決勝が予定されています。楽しみです。
知る・見る・学ぶ記事まとめ〈知っとこ〉は今日も4回更新を予定しています。この時間は、私の注目記事を4本セレクトしてお届けします。
〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・松本直之〉
初“静岡五輪” 自転車開幕、東部で男子ロード
東京五輪は24日、都内をスタートして御殿場、裾野両市を通過、小山町の富士スピードウェイ(SW)でフィニッシュする自転車競技男子ロードレースが行われ、史上初めて静岡県が五輪の舞台になった。新型コロナウイルス拡大による1年延期を経て大半の会場が無観客になる中、静岡県が会場のロードレースとトラック、マウンテンバイク(MTB)の3競技は観客を入れて開催する。機運醸成、サイクリング振興、感染対策、多くの関係者の努力の末、歴史に1ページを刻んだ。
「静岡は日本サイクルスポーツセンター(CSC)があり自転車にゆかりが深い。3種目を開催でき喜ばしい」。県自転車競技連盟理事長で日本連盟の会長にも就いた松村正之氏(66)=富士市=は静岡県自転車界の思いを代弁する。
開催決定からここまで、機運醸成とともに力が注がれたのがレガシー(遺産)創出。自転車の裾野を広げ、サイクリストを増やし、競技振興を図る-。「自転車の聖地」へ普及促進が図られた。
競技面でもCSCを強化拠点に、県東部に有力選手が集まる。三島市にはロードレースの強豪チームブリヂストンサイクリングが移転。富士市にはプロ自転車チーム「レバンテフジ静岡」が生まれ流れは加速する。「日本勢がメダルを取ることで大会後の競技振興につながる。レガシー大会の開催などに協力したい」と松村氏。「聖地」への道に、大きな一歩を踏み出した。
■新城35位、増田は84位
男子個人ロードレース(234キロ)が行われ、3大会連続出場の新城幸也(バーレーン・ビクトリアス)は6時間15分38秒で35位だった。初参加の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は6時間25分16秒で84位。
2019年のジロ・ディタリアで総合優勝したリチャード・カラパス(エクアドル)が6時間5分26秒で制した。ツール・ド・フランス総合2連覇のタデイ・ポガチャル(スロベニア)は3位だった。
■プロの視点 佐野淳哉(レバンテフジ静岡)
カラパス、直感力勝因 新城と増田、素晴らしい完走
2014年全日本選手権覇者でレバンテフジ静岡主将の佐野淳哉(静岡市清水区)に解説してもらった。
後半に厳しい上り坂があるコースに沿うように、選手の動きも激しくなる流れになった。そんな中で、有力選手が順当に優勝争いに残った。最後までハラハラするロードレースらしいドラマチックな展開だった。
前半は落ち着いた展開で、中盤を過ぎた裾野市の富士山麓辺りからペースが上がり、脱落する選手も出始めた。勝負の分かれ目はやはり三国峠。各国のエースが一人ずつ残り、アタック合戦が始まった。エクアドルと米国の選手が集団の隙を突いて抜け出し、最後はカラパス(エクアドル)が逃げ切った。下馬評では金メダル最有力のグループにはいなかったが、冷静にチャンスを生かした。運の要素もあるが、勝負どころを見極めてチャレンジする直感力が勝因になった。
銀メダルのファンアールト(ベルギー)は優勝最有力候補の一人とみていた。直前のツール・ド・フランスで活躍したことで、他の選手にかなり警戒され、力をそがれる展開になってしまった。それでも終盤に単独の力でトップを追い上げた走りで、最強の力を見せつけたと思う。
気象条件も含め世界屈指の過酷なコースで、有力選手も脱落する中、日本人2選手が完走できたのは素晴らしい。新城は1度は落ちかけたが、タイム差が広がりきる前に食い下がった。増田も新城のアシストを果たした上で走りきったのはすごいと思う。
準決勝は磐東―静高/翔洋―掛西 高校野球静岡大会第7日
第103回全国高校野球選手権静岡大会第7日は草薙、清水庵原の両球場で準々決勝を行った。第5シードの磐田東は、第1シードで秋春王者の藤枝明誠を5―2で下し、10年ぶりの4強入りを果たした。東海大翔洋は桐陽を8―4で振り切り、4回戦(22日)の浜松工に続くシード校撃破で8年ぶり準決勝進出。掛川西は島田商を、静岡は富士市立をともに7―0の七回コールドで破った。準決勝の磐田東―静岡、東海大翔洋―掛川西は26日、草薙で行う。
▽草薙球場
磐田東5―2藤枝明誠
静岡7―0富士市立(7回コールド)
▽清水庵原球場
掛川西7―0島田商(7回コールド)
東海大翔洋8―4桐陽
■26日の試合(準決勝)
▽草薙球場
磐田東―静岡(10時開始)
東海大翔洋―掛川西(12時30分開始予定)
大流行RSウイルス 特徴は?受診判断は? 感染症専門医に聞く
乳幼児に肺炎を引き起こすことのある呼吸器感染症「RSウイルス」の大流行が続いている。2歳までのほぼ全員が一度は感染するウイルスで、防ぐすべはない。大人が気を付けたいことを、静岡県立こども病院感染管理室長の荘司貴代・小児科医に聞いた。
A 風邪の原因となるウイルスの一つ。せきや発熱がみられる。生後6カ月までの乳児や、早産で生まれた子、ダウン症、先天性心疾患や慢性肺疾患などの基礎疾患のある子、免疫を抑制する治療を受けている病児は2歳以上でも重症化しやすい。高齢者の感染も報告され、施設での集団発生も見られる。
Q 秋から冬にかけて流行しやすいが、なぜ今はやっているのか。
A 感染経路と予防法は新型コロナウイルスやインフルエンザと同じ。感染対策が徹底されてここ1年半は流行しなかったから、免疫のない子が平年の2倍はいるとみられる。一度流行が始まると、家庭や集団保育で簡単に広がってしまう。
Q 新型コロナと同時流行した際の懸念は。
A 新型コロナで重症化する小児患者はまれだが、RSでは一定数はいる。重症化すればいずれも集中治療室で人工呼吸器を使うため、病床逼迫(ひっぱく)が問題となる。
Q 風邪のような症状で早期受診が必要か。
A 必要ない。熱は2、3日で治まり、せきや呼吸が苦しい症状は5~7日目がピーク。ただ、飲食できない、息苦しくて眠れなければ受診が必要だ。
Q 患者が重症化した際の課題は。
A 現行の看護師配置基準は十分とは言えず、乳幼児の単身入院を受け入れる病床はほとんどない。保護者が24時間付き添うケースが大半だ。家庭に複数の子どもがいて、1人が入院すると両親ともに仕事を休まなければならない。そうした事情があることを社会で共有してほしい。
58人感染確認、7月24日の静岡県内 沼津、静岡両市で新規クラスター【新型コロナ】
静岡県内で24日、新たに58人の新型コロナウイルス感染が確認された。沼津市の幼稚園と静岡市清水区の製造業の事業所で新たにクラスター(感染者集団)が発生した。県内の累計感染者数は1万139人(再陽性者を含め1万140人)。
静岡市は、清水区の製造業の事業所で従業員7人の感染が明らかになったと発表。うち5人は市外の保健所に発生届が出ている。7人の内訳は事業所敷地内の福利厚生施設で働く4人と利用者ら3人で、業務や昼食などの場で近距離で一定時間会話していた。7人の業務上の濃厚接触者は8人という。
既に公表されているクラスター関連では、浜松市の学校の部活動で新たに部員2人と部員の関係者1人の陽性が分かり、計9人に。22日発表された下田市のボランティア団体は1人増の計15人となり、磐田市で23日に認定された学校も10人増えて計18人になった。
浜松市発表の感染者は9人、静岡市発表は3人。県発表の居住地別では下田市12人、沼津市6人などで、県東部が31人を占めた。