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3時のアフタヌーンクリップ 3月29日

 ポカポカ陽気の昼下がり、いかがお過ごしですか? 静岡のニュースや話題をぎゅっとまとめてお届けする「知っとこ」のコーナー、この時間は「3時のアフタヌーンクリップ」です。きょうよくお読みいただいている記事4本を選んでお届けします。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・柳沢毅〉

静岡マルイ 街彩った51年 拍手に包まれ閉店

 JR静岡駅北口近くの大型商業施設「静岡マルイ」(静岡市葵区)が28日、閉店した。1969年に「丸井静岡店」としてオープンして以来、市中心街のにぎわい創出に貢献した51年間の歴史に幕を閉じた。

閉店にあたり利用客に感謝の思いを伝える伊藤哲朗店長(左から2人目)ら従業員=28日午後6時15分ごろ、静岡市葵区の静岡マルイ
閉店にあたり利用客に感謝の思いを伝える伊藤哲朗店長(左から2人目)ら従業員=28日午後6時15分ごろ、静岡市葵区の静岡マルイ
 閉店セレモニーで伊藤哲朗店長は「長年つないだ店を私の代で閉めるのは悔しいが、最後は多くの方にご来店いただき、輝きを持って終わることができた」とあいさつした。
 隣接する丸井グループの商業施設「静岡モディ」は今後も営業を継続する。伊藤店長は「競合店とも手を取り合い、けやき通りのともしびを消さないようがんばりたい」と述べた。最後は利用客らの拍手に包まれる中、店舗シャッターが下ろされた。
 この日はセレモニーに先立ち、店でパフォーマーが歌と踊りを披露するパレードショーも開催された。ハロウィーンやクリスマスなど、過去のイベントに出演したキャラクターが登場し、同店の歴史を振り返りながら利用客に感謝を伝えた。
 

静岡中心街にPCRセンター開業 1日2800人分可能【新型コロナ】

 医療法人社団アール・アンド・オー(静岡市葵区)が監修する民間検査センター「PCR検査センター静岡」が29日、葵区の呉服町通りにオープンする。中心街の立地を生かして利用を促し、新型コロナウイルス感染拡大の防止につなげる。1日で最大2800人分を検査できる。個店形式の検査専門センターは静岡県内初という。

受付の奥に検体を採取する場所が設けられている=27日午前、静岡市葵区のPCR検査センタ
受付の奥に検体を採取する場所が設けられている=27日午前、静岡市葵区のPCR検査センタ
 唾液から判定する検査キットを用いる。間仕切りの付いたカウンターで検体を採取し、回収ボックスに投入する。検査には事前予約が必要で、ホームページやセンター内で受け付ける。検査費用は3300円。検査翌日までに結果をメールで通知する。検査後3時間で結果を通知する迅速検査は5500円。
 関係者を対象にした27日のプレオープンでは、協力会社の社員や大学生が検査を体験した。4月に都内の会社に就職する県立大4年の田中真愛さん(藤枝市)は「上京前に確認したくて受けた。街中で気軽に検査できるのは便利」と話した。
 営業時間は平日が午前8時~午後8時、土日・祝日が午前10時~午後7時。検査費用の支払いはクレジットカードまたは電子マネーのみで、現金は原則、使用できない。
 問い合わせは同センター<電080(7224)3665>へ。
 

富士山ハザードマップ改定 被害想定、静岡県内10市町に拡大

 静岡、山梨、神奈川県などでつくる富士山火山防災対策協議会は26日、富士山の噴火被害を想定したハザードマップ(危険予測図)の改定版を公表した。大規模噴火のシミュレーションでは、新たに富士川沿いの静岡市清水区や沼津市、清水町に溶岩流が到達するなど、県内では計10市町に災害が広がる可能性を明示した。同協議会はマップの改定に伴い2021年度、3県の状況を踏まえた噴火時の広域避難計画の見直しに入る。

富士山噴火の溶岩流が到達可能性マップ
富士山噴火の溶岩流が到達可能性マップ
 ハザードマップの改定は18年から3年間を要した。本年度は中・大規模噴火時の溶岩流や、山腹の雪が火砕流で解けて土石を巻き込んで流れ下る融雪型火山泥流の被害想定を中心に作業を進めた。シミュレーションでは地形データを反映するため、従来の200メートル四方から20メートル四方に細分化し、溶岩流や火山泥流が河川や平野を伝って従来より拡大した。
 大規模噴火の溶岩流は、過去5600年間で最大規模の貞観噴火(864年)を基に、想定される流出量をこれまでの7億立方メートルから13億立方メートルに増やした。新たに確認された火口(噴火の痕跡)を考慮し、中・小規模噴火のケースを含め、前回マップの約5倍となる計252地点を設定して計算した結果、2時間以内に富士宮市の市街地や御殿場市の郊外にまで流れ込み、1日以内に裾野市や富士市の市街地に達した。
 最終的には同市の駿河湾まで届いたほか、富士川河口の静岡市清水区や黄瀬川下流の沼津市、清水町にまで延伸。新たに溶岩流が届く想定の2市1町は、活動火山対策特別措置法(活火山法)に基づく火山災害警戒地域に指定される。
 融雪型火山泥流は、火砕流の噴出量を240万立方メートルから1千万立方メートルに変更した。改定前の3倍となる55地点で推定到達時間や危険度などをシミュレーションしたところ、御殿場市や小山町の庁舎に短時間で流れ着いたり、富士市内の東名高速道路やJR東海道線を超えて海にまで達したりした。
 同協議会では今後、富士山火山広域避難計画を改定し、避難が必要な範囲や避難対象者についての見直しを行うとともに、関係市町も順次、個別の避難計画を策定する。

 ■噴火現象 各人が理解を
 富士山ハザードマップ検討委員会委員長 藤井敏嗣氏
 今回の改定のきっかけは、最近の調査・研究によって、噴火可能性のある火口がこれまでの想定よりも市街地に近い場所に確認されたことである。また、富士山での最大級の噴火とみなされてきた貞観噴火が想定の2倍近い規模であることも分かった。このため、想定火口範囲を見直すとともに、計算機シミュレーションをやり直し、様々な噴火現象の影響範囲を調べた。
 実際の噴火では、想定範囲のどこに火口が開くかによって、また規模によって、溶岩流の経路や到達点・到達時間は変わる。現実にはまれな最大規模の噴火も想定してシミュレーションしたのは、どういう事態が生じても対応できる方策を考えておくためである。
 行政は今後このハザードマップをもとに、さまざまな条件を想定した上で、広域避難計画や各地の防災計画を見直すことになる。気象庁や研究機関は観測機器を展開し、噴火の前兆を捉えようとしている。しかし、富士山に特徴的な粘り気の少ない玄武岩マグマの場合、明確な前兆をつかんでから噴火までは、数時間から数日程度と思ったほうがよい。
 住民の皆さんには、このハザードマップを眺めて、噴火によってどんな現象があるか、規模が違うと影響の及ぶ範囲はどのように異なるか、自分に影響が生じる噴火はどの部分に火口ができる場合なのかなどを考えてほしい。火山災害から身を守る最良の方策は各人が噴火現象について正しい知識を持っていることだからである。

 <メモ>富士山ハザードマップ 富士山の噴火に備え、想定される火口範囲や溶岩流、火砕流などの災害到達エリアを示した危険予測図。国や静岡、山梨、神奈川3県と有識者らで構成する協議会が2004年6月に策定し、新たな科学的知見を反映するため21年3月に初めて改定した。行政が避難計画を策定する際の基礎資料となる。

静岡市議48人決まる 投票率40・13% 過去最低

 任期満了に伴う静岡市議選は28日、投票が行われ、即日開票の結果、新市議48人が決まった。投票率は市全体で40・13%と前回選を1・03ポイント下回り、過去最低だった。新型コロナウイルスの影響で、多くの候補者が集会を自粛するなどして論戦が深まらず、有権者の関心は高まらなかった。

新型コロナウイルス感染対策のマスクとフェースガードをして開票作業を行う静岡市職員=28日午後、同市駿河区のツインメッセ静岡
新型コロナウイルス感染対策のマスクとフェースガードをして開票作業を行う静岡市職員=28日午後、同市駿河区のツインメッセ静岡
 当選者の現元新の別は現職35人、元職2人、新人11人。政党別では自民18人、公明6人、共産4人、立憲民主2人、諸派1人、無所属17人。自民は公認候補が20人中18人当選し、新人の推薦候補は6人中4人が当選した。公明と共産は公認候補が全員当選。立憲民主は初めて議席を獲得した。1人を擁立した維新は議席を得られず、現新2人に推薦を出した国民民主は現職のみ当選した。
 トップ当選は葵区が自民現職の繁田和三(68)、駿河区が自民現職の池谷大輔氏(40)、清水区は公明現職の山梨渉氏(44)。
 区別の投票率は葵39・48%(前回40・58%)、駿河37・82%(同37・96)、清水42・85%(同44・52%)。3区とも過去最低だった2017年の前回選を下回った。

 ■静岡市議選開票結果
 【葵区】 定数17―23
当5,985 繁田 和三 自民現⑤
当5,835 長島  強 公明現②
当5,025 福地  健 自民現③
当4,965 山本 彰彦 公明現⑤
当4,529 浜田 佑介 立民新①
当4,463 石上顕太郎 自民現⑤
当4,410 松谷  清 諸派現④
当4,362 丹沢 卓久 自民現④
当4,220 鈴木 和彦 自民現⑤
当3,953 尾崎 行雄 自民現②
当3,787 杉本  護 共産現②
当3,786 井上 恒弥 自民現⑤
当3,785 安竹 信男 無 現⑤
当3,454 市川  正 共産新①
当2,818 白鳥  実 無 現⑤
当2,685 天野 正剛 無 新①
当2,662 鈴木 直人 無 新①
 2,658 中山 道晴 無 現
 2,492 彦坂 知成 無 新
 2,167 平島 政二 無 元
 1,931 遠藤 直哉 維新新
 1,640 鈴木 将仁 無 新
   414 海野  博 無 新
 
 【駿河区】 定数14―18
当6,040 池谷 大輔 自民現③
当5,141 加藤 博男 公明現②
当4,867 島  直也 自民現②
当4,723 畑田  響 自民現③
当4,472 井上 智仁 公明現④
当4,446 寺尾  昭 共産現④
当4,280 佐藤 成子 無 現⑤
当4,047 児嶋 喜彦 無 新①
当3,767 宮城 展代 自民現②
当3,721 白浜 史教 無 新①
当3,616 宮沢 圭輔 無 元③
当3,517 長沼 滋雄 立民新①
当2,777 石井 孝治 無 現③
当2,776 平井 正樹 自民現②
 2,542 木下 俊也 無 新
 1,989 伊東 稔浩 自民現
   981 荒田 健一 無 新
   756 川上 正夫 無 新
 
 【清水区】 定数17―22
当6,365 山梨  渉 公明現③
当5,783 風間 重樹 無 現④
当5,254 高木  強 無 新①
当5,238 山根田鶴子 自民現⑤
当5,029 大村 一雄 自民現④
当5,027 大石 直樹 公明現③
当4,791 内田 隆典 共産現④
当4,585 小山  悟 無 新①
当4,380 堀   努 自民現②
当4,237 稲葉 寛之 無 現②
当4,121 山本 昌輝 無 新①
当4,104 望月 俊明 自民現④
当3,732 遠藤 裕孝 自民現⑤
当3,695 寺沢  潤 自民現②
当3,612 栗田 裕之 無 元④
当3,277 後藤 哲朗 無 現③
当3,269 宮城島史人 無 新①
 3,027 赤池 剛直 無 新
 2,767 早川 清文 自民現
 1,056 桜田 博己 無 新
   276 村上 佳照 無 新
   183 外岡 宗雄 無 新
地域再生大賞