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エヴァ列車発進! 静岡県内鉄道とコラボ

 アニメ映画「シン・エヴァンゲリオン」と静岡県内の鉄道会社のコラボレーションが人気を集めています。新聞紙面には載せきれなかった写真とともに、県内の映画モデル地もご紹介します。ファンのみなさん必見です!
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・吉田直人〉

遠州鉄道とコラボ ラッピング電車登場

 浜松市中区の遠州鉄道新浜松駅に8日(※2021年11月)、アニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」とコラボレーションしたラッピング電車がお目見えした。16日まで停車展示し、17日から運行を開始する。

新浜松駅に登場した「エヴァンゲリオン劇場版」のラッピング電車=浜松市中区
新浜松駅に登場した「エヴァンゲリオン劇場版」のラッピング電車=浜松市中区
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真希波マリのラッピングも

 2両編成の電車を映画に登場する兵器「エヴァンゲリオン」の2号機と8号機を模したデザインにした。1両を2号機の赤色、もう1両を8号機の桃色とし、それぞれの機体に搭乗するキャラクターなども描いた。
 車内には、各キャラクターが登場する映画のシーンを展示。駅名表示の一部を「シン・ハママツ」にしたほか、同駅と終点西鹿島駅(天竜区)の構内にもキャラクターなどの装飾を施した。
 劇中の舞台「第3村」のモデル地の一つとなった天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅(同区)や、市内への誘客を図ろうと企画した。
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オリジナルグッズも販売

 クリアファイルやキーホルダーなどのオリジナルグッズを17日から新浜松駅や西鹿島駅など4カ所で販売する。12~14日に新浜松駅で先行販売し、購入者はラッピング電車の車内見学ができる。同電車の運行は2022年5月までを予定している。

車内や駅構内 エヴァ一色

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駅名は「シン・ハママツ」に

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車内もエヴァだらけ

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天浜線は「人類乗車計画」 沿線誘客へスタンプラリーも

 天竜浜名湖鉄道(浜松市天竜区)は1日(※2021年12月)、人気アニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」とコラボレーションした誘客企画を開始した。駅や同市内の観光名所にキャラクターのスタンドパネルを設置し、スタンプラリーも実施する。2022年1月末まで。

1日から各地に設置されるスタンドパネルの前でスタンプラリーの台紙を持つ職員=浜松市天竜区の天竜二俣駅
1日から各地に設置されるスタンドパネルの前でスタンプラリーの台紙を持つ職員=浜松市天竜区の天竜二俣駅
 作品の中心テーマをもじり「人類乗車計画」と銘打った同企画。浜松市と遠州鉄道なども協力し、市内や沿線の20カ所にパネルと全10種類のスタンプを置く。10種類集めると天竜二俣駅の「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」に無料で参加できる。
 同駅は、転車台を含む車両基地が映画の主要な舞台「第3村」のモデル地となり、公開後は全国から多くのファンが訪れている。この好機を生かそうと、企画に先駆けて先月から、天浜線と遠州鉄道でエヴァンゲリオンのラッピング車両の運行を始めた。
 担当者は「エヴァを通じて、天浜線はもちろん、沿線や市内の名所を訪れるきっかけにしてもらえれば」と話している。
 スタンプラリーの台紙と案内地図は天浜線、遠鉄の各有人駅で無料配布する。問い合わせは天浜線営業課<電053(925)2276>へ。
 〈2021.12.1 あなたの静岡新聞〉

モデル地の天竜二俣駅 ファンら「巡礼」続々

 3月に公開されたアニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(庵野秀明総監督)のモデル地として描かれる、天竜浜名湖鉄道・天竜二俣駅(浜松市天竜区)に、“聖地巡礼”で静岡県内外から連日多くのファンが詰め掛けている。始発駅の掛川、新所原駅から同鉄道に乗って訪れるファンも多く、同社は「コロナ禍で落ち込む収入回復の起爆剤になる」と期待する。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のモデル地となった転車台見学に訪れ、写真を撮るツアー参加者=9日午後、浜松市天竜区の天竜二俣駅
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のモデル地となった転車台見学に訪れ、写真を撮るツアー参加者=9日午後、浜松市天竜区の天竜二俣駅
 劇中に描かれる転車台や扇形車庫の見学ツアーには多い日で170人を超える参加者が集う。放射状の転車台に向かって列車が動きだすと、参加者が一斉に写真を撮り始める。大学生の太田惣貴さん(18)=同市中区=は「映画を見て初めて訪れた。こんな近くにあの舞台があるなんて誇らしい気持ち」と興奮気味に話す。
 映画効果で、ツアーの参加者は急増。公開週の日曜日には前週の約12倍にあたる161人が参加し、その後も増加傾向が続く。
 天竜二俣駅の転車台や扇形車庫などの施設は、築80年を越え、国登録有形文化財に指定されている。それらの一部が同作の主な舞台となる「第3村」のモデルとして登場。傷ついた主人公が再起する重要な場として描かれる。
 庵野総監督本人も2017年6月にロケハンで現地を訪れた。案内した職員によると、転車台や車両区事務所でスタッフに動き方を指示しながら、自ら写真を撮っていたという。同職員は「監督は具体的な場面のイメージがあった上で指示されているようでした」と回想する。
 同社の松井宜正社長は「古い施設が残る天浜線の風情が、国民的なアニメ作品に取り上げられ光栄。今後もコロナで苦しい経営の追い風となることを期待している」と語る。
 〈2021.04.10 あなたの静岡新聞〉
地域再生大賞