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⛳ゴルフ日本オープン初V 岩崎亜久竜選手(清水町出身)とは

 ゴルフの国内三大大会、日本オープン選手権の最終日が10月15日に大阪府茨木CCで行われ、岩崎亜久竜選手(清水町出身)が通算8アンダーの272でツアー初優勝しました。静岡県アマチュア選手権には清水中学校時代や日大時代に出場し、2019年には2年連続3度目の優勝を果たし永久シード権を獲得。学生時代から注目を集めるゴルファーの活躍をまとめました。

ツアー初優勝 「地元の星」に県内関係者歓喜

 静岡育ちの若武者のメジャー制覇に県内ゴルフ界が沸いた。清水町出身の岩崎亜久竜(25)が15日、国内三大大会、日本オープン選手権(大阪府茨木CC)で国内ツアー初優勝を飾った。「夢を見させてくれる」「ジュニア世代の目標」。8歳でゴルフを始めてから大学卒業まで静岡で腕を磨いた「地元の星」のビッグタイトル獲得に、関係者から歓喜の声が上がった。

日本オープン選手権でツアー初優勝を果たした岩崎亜久竜=茨木CC
日本オープン選手権でツアー初優勝を果たした岩崎亜久竜=茨木CC
 清水町立清水中時代から静岡県アマチュア選手権に出場。日大国際関係学部(三島市)4年時に3度目の優勝を果たし「大人に応援してもらい、成長させてもらった」。プロの世界に羽ばたいた青年を、多くの関係者がわが子のように見守ってきた。
 「(上位に付けた)前日からみんなそわそわしていた。本当にうれしい」と声を弾ませるのは県ゴルフ連盟の山本法生理事長(73)。岩崎が出場した岩手、愛媛の国体2大会にスタッフとして帯同した。300ヤード超の飛距離や人並み外れた食事量などトップ選手としての素質だけでなく、礼儀正しい人柄にも触れ「プロを目指す子どもたちの励みになる」と期待した。
 県内出身の後輩プロも大きな刺激を受けた。3学年下の岡部祐太(23)=静岡北高出=は岩崎に憧れを抱く1人。3打差を逆転しての優勝に「大舞台でまくって勝つのは実力がないとできない。率直にすごい」と舌を巻く。自身も昨年プロテストに合格。「来年はツアーに参戦し、同じ舞台に立ちたい」と意気込んだ。
 出身地の清水町も祝福ムードに包まれた。町は公式LINE(ライン)で「郷土の誇りとなる大偉業」と発信。関義弘町長は「優勝までの道のりは長かったと思う。町でいつも応援していた。今後の活躍を期待している」とコメントした。
(運動部・山本一真、東部総局・日比野都麦)
〈2023.10.16 あなたの静岡新聞〉

日大で飛躍 世界にアプローチ

 181センチ、86キロの筋骨隆々の肉体、300ヤード超のショット、端正な顔立ち-。男子プロゴルフの岩崎亜久竜(清水町出身)は国内ツアーに久々の新星誕生を予感させる。本格参戦1年目の今季は早くも8戦で2度優勝争いを繰り広げた。県内では幼少期から期待を集めた大器が、トップへの道を歩み始めている。

国内男子ツアー参戦1年目で優勝争いを繰り広げる=茨城・宍戸ヒルズカントリークラブ
国内男子ツアー参戦1年目で優勝争いを繰り広げる=茨城・宍戸ヒルズカントリークラブ
 8歳でゴルフを始めてから高校卒業までは父修治さんとの二人三脚。すでに、実力の片りんを見せてはいたが、大きく進化したのは日大に進学して現在に至る6年間だ。
 2年で大学対抗戦のメンバーに入りトレーニングと食事への意識が向上。60キロ台だった体重は20キロ以上増え、平均飛距離も20ヤード伸びた。何より「高校まで1人で練習していたが、大学でレベルの高い仲間に囲まれる環境が刺激になった」。
 大学を卒業した2020年春、岩崎は単身フィリピンに渡っている。「小さい頃からテレビで見ていたのは海外の試合ばかり。憧れがあった」。国内プロテストやツアー予選会(QT)に出ることなく、実力次第で欧州ツアーにもつながるアジアンツアーを主戦場に選んだ。
 ところが、コロナ禍で3カ月後に街はロックダウン。下部ツアーの出場資格を得ていながら日本に戻らざるを得なくなった。本来なら不運を嘆くところ。だが、結果的にこの選択が大きな転機になる。帰国後、小学校から親交のある同級生プロを通じて黒宮幹仁コーチに師事。スイングを大幅に修正し、ショットの精度が飛躍的に向上した。「フィリピンにいたら一人で手探りだった。黒宮さんとの出会いがなければ今はない」と断言する。
 今月5日には自身初の国内メジャー「日本ツアー選手権」で3位に入るなど、賞金総額は約1834万円。来季の国内シードがほぼ確実になり、秋に米下部ツアーのQTに挑戦する構想が現実味を帯びる。
 大学4年秋、プロ転向前最後の県アマチュア選手権で3度目の優勝を果たして語った目標は「人を楽しませるゴルファー」になること。「バーディーを量産する攻撃的な選手が理想。松山英樹選手のような活躍をしたい」。静岡から世界へ羽ばたく。

 いわさき・あぐり 1997年12月17日、清水町出身。8歳でゴルフを始め、日大時代の2019年に日本アマ4位、日本学生9位と活躍。県アマは3度の優勝を誇る。20年にプロ転向し、今季から国内ツアーに参戦。ここまで3度のトップ10入りで賞金総額は13位の1834万1423円(13日時点)。
〈2022.06.14 あなたの静岡新聞〉

静岡県アマ連覇 3度目優勝、永久シード権獲得

※2019.11.08 静岡新聞から

3度目の優勝を果たした=静岡カントリー浜岡C
3度目の優勝を果たした=静岡カントリー浜岡C
 セキスイハイム東海CUP第48回県アマチュアゴルフ選手権(県ゴルフ連盟、静岡新聞社・静岡放送主催)決勝は7日、静岡カントリー浜岡C高松コース(6571ヤード、パー72)で最終日のラウンドを行った。2位と4打差の首位から出た岩崎亜久竜(日大)は、7番でトリプルボギーをたたくなど苦しんだが、後半に立て直し通算4アンダーの140で2年連続3度目の優勝を果たし、永久シード権を獲得した。
 3打差の2位に2017年大会優勝の松浦安洋(静岡市)が入り、杉田龍英(日大)が3年連続の3位。浜松日体中の仲西郷が9位と健闘した。
 シード保持者を除く上位20人は来年の本大会決勝シード権、上位15人は来年の静岡プロゴルフ選手権出場権を獲得した。
大たたきから立て直す
 苦しみ抜いてつかんだ3度目の頂点だった。岩崎は最後のパーパットを慎重に沈めると、2位の松浦から「おめでとう」と祝福され、ラウンド中にはなかった笑顔を見せた。「小さいころから出て、大人に応援してもらい、成長させてもらった大会。3度目の優勝を達成できて本当にうれしい」と岩崎は声を弾ませた。
 最終日は5バーディーを奪ったが、2ボギー、1ダブルボギー、1トリプルボギーと乱れ、6アンダーの初日からは別人のようなゴルフになった。飛ばし屋が前半のパー5の2ホールで痛恨の大たたき。2番は1打目を左に曲げ、林に入れて7。初日イーグルの7番はティーショットのOBに3パットが重なって8。この時点で松浦に抜かれた。
 「昨日からショットが怪しかった。練習したが変わらず、自信を失いかけた」と岩崎。だが、「後半は気持ちの切り替えができた」と10番のバーディーで松浦を逆転。14、15番の連続バーディーで突き放した。
 来年からは拠点をフィリピンに移し、アジアンツアーを転戦しながらプロに転向する。「周りの人が見ていて楽しいゴルファーを目指す。お世話になった静岡の人にいい報告ができるようにしたい」と有終の美を飾った岩崎が、プロの世界へと羽ばたく。
 (大山雄一郎)
 

静岡県アマ 18歳で最年少優勝/清水中学校時代から出場

2016.11.10 静岡新聞から

㊧2012年、5オーバー77と健闘した ㊨2016年、沢木聡仁とのプレーオフを制し最年少優勝を飾った
㊧2012年、5オーバー77と健闘した ㊨2016年、沢木聡仁とのプレーオフを制し最年少優勝を飾った
 セキスイハイム東海CUP第45回県アマチュアゴルフ選手権(県ゴルフ連盟、静岡新聞社・静岡放送主催)決勝は9日、御前崎市の静岡カントリー浜岡C高松コース(6571ヤード、パー72)で最終日を行った。岩崎亜久竜(日大)と沢木聡仁(日大)が通算1アンダーの143で並び、プレーオフの末に岩崎が18歳10カ月で史上最年少優勝を飾った。
 1打差の3位に佐々木清士(グランディ浜名湖)。昨年覇者の笠松孝太郎(グランディ浜名湖)は4位だった。
 シード保持3人を除く上位20人に来年の本大会決勝シード権、上位20人に来年の静岡プロゴルフ選手権出場権が与えられた。

プレーオフで勝負強さ 日大先輩と対決
 日大の先輩沢木とのプレーオフ1ホール目。5メートルのスライスラインを完璧に読み切り、18歳の岩崎が鮮やかにウイニングパットを沈めた。2011年の笠松(グランディ浜名湖)が持つ19歳11カ月の最年少優勝記録を塗り替え、「本当にうれしい」と満面の笑みを浮かべた。
 ドライバーで290ヤードの飛距離を武器に攻めた。強風の影響で7番までに5ボギーしたが、「前日まで左右に曲がっていたショットが安定していた」と焦りはなかった。徐々に距離感を合わせ、後半に追い込んだ。
 9番で最初のバーディーを奪い、13番からは3連続バーディー。特に14、15番はバンカーからピンそばに寄せた。大学1年目で最も練習したのがグリーン周りのアプローチ。高校時代はボギーを覚悟した状況からでも、好機をつくれている。
 中学時代はスコアカードの記載不備で失格になるなど、さまざまな経験をした県アマで成長した姿を見せた。だが、幼少時から親切にしてくれたベテラン選手や関係者からは、さらに上の舞台に羽ばたくことを期待されている。「来季は日本学生選手権のトップ10入りが目標。卒業後はプロになりたい」。万雷の拍手を浴びた18歳が、決意を新たにした。
 (山本一真)

2012.11.01、02 静岡新聞から編集
 セキスイハイム東海CUP第41回静岡県アマチュアゴルフ選手権(静岡県ゴルフ連盟、静岡新聞社・静岡放送主催)の決勝最終日は2012年11月2日、御前崎市の静岡カントリー浜岡C高松コース(6571ヤード、パー72)で行われ、2年連続出場の中学生岩崎亜久竜(清水町立清水中)は27位で来年の本大会決勝シード権が与えられた。
 岩崎は決勝初日に成長した姿を見せた。1番から5連続ボギーをたたいたが、その後は粘って5オーバーの77にまとめた。昨年はスコアカードの記載不備で失格した。「精神的に強くなる」という1年前の誓いを果たした。
 最悪のスタートだった。アプローチ、パターの距離感が合わず、前半で6オーバー。「今までだったら立て直せなかった」が、気持ちは切れなかった。12番の初バーディーで流れをつかみ、後半は1アンダーと盛り返し、最終日へつなげた。
地域再生大賞