知っとこ 旬な話題を深堀り、分かりやすく。静岡の今がよく見えてきます

最新作を世界に発信 静岡ホビーショー開幕

 国内最大級の模型メーカーの見本市「静岡ホビーショー」が開幕しました。過去最多の約90社が14日まで、プラモデルやラジコンなどの最新作を発表します。今年は4年ぶりに海外からバイヤーが訪れ、出展各社はアピールに熱が入ります。ホビーショーの様子や関連イベントを1ページにまとめました。
 ⇒現地の写真レポートはこちら!
 ⇒動画はこちら!

コロナ以降初 海外のバイヤーや愛好家ら来場

 国内最大級の模型メーカーの見本市「静岡ホビーショー」(静岡模型教材協同組合主催)が10日、静岡市駿河区のツインメッセ静岡で開幕した。新型コロナウイルス流行前の2019年以来4年ぶりに、海外のバイヤーや愛好家を迎える。過去最多の約90社が14日まで、プラモデルやラジコンなどの最新作を発表する。

開幕した静岡ホビーショー=10日午前、静岡市駿河区のツインメッセ静岡(写真部・二神亨)
開幕した静岡ホビーショー=10日午前、静岡市駿河区のツインメッセ静岡(写真部・二神亨)
 会場内の各ブースには海外需要の獲得を強く意識した新作が目立つ。タミヤ(同区)は、駆動方式を選べるラジコンカー「フィアットアバルト1000TCRベルリーナコルサ」やミニ四駆が注目を集めた。
 同組合の田宮俊作理事長は記者会見で「イベントに飢えていた海外バイヤーは来場を喜んでいる。今後、世界中に市場がさらに広まっていくだろう」と期待感を語った。
 10、11の両日は業者向け。東日本、西日本のエリアごとに来場日を分けるなど、密集回避策は継続する。12日以降は県内の児童生徒や国内外の愛好家ら一般向けに開放する(事前予約の受け付けは終了)。(経済部・駒木千尋)
 〈2023.5.11 あなたの静岡新聞〉

ファンの裾野、世界へ 「対面商談」でアピールに熱

 静岡市駿河区で10日開幕した静岡ホビーショー。新型コロナウイルス流行前の2019年以来、4年ぶりに海外のバイヤーが訪れ、熱心に商談を重ねた。模型業界はコロナ下の巣ごもり需要で一時追い風が吹いたものの、足元では外出機会の増加に伴う需要減や原材料高騰など懸念も残る。各社は細分化した顧客ニーズに応える高い技術力や、環境に配慮した製造手法をアピールし、海外市場開拓に本腰を入れる。

模型の説明を受ける海外からの来場者=10日午前、静岡市駿河区のツインメッセ静岡(写真部・二神亨)
模型の説明を受ける海外からの来場者=10日午前、静岡市駿河区のツインメッセ静岡(写真部・二神亨)
 ハセガワ(焼津市)は、1980年代に人気を博したホンダのバイク「VT250F」のプラモデルを出展。3Dスキャナーで実車の形状を正確に把握し、外側から見えないシート裏面の凹凸の細部まで再現するなど、約1年を費やした。バイク模型は同社の主力商品で、国内外から高い支持を集める。長谷川勝人社長は「うまく撮影すれば実車に見えるほど精巧に再現できた」と胸を張る。
 ドイツやアメリカ、中国など25カ国に製品を輸出する同社は、コロナ下でも欧州を中心に販売が堅調に推移したが、メールなど非対面での対応に限られていた。オーストラリアから訪れたバイヤーのクリス・アンソンさん(50)は「時差がないため商談に集中でき、相手と良い関係を築ける。自国では日本製品の人気が高いので、商機を逃さず仕入れたい」と対面商談の意義を強調した。
 脱炭素の動きが世界で加速する中、環境対応型の模型製造技術を披露する企業も注目を集めた。金型メーカー「エムアイモルデ」(富士市)は、植物由来のセルロースファイバー(CF)を55%含んだ原料に対応できる金型を開発し、同金型を使った完成模型を並べた。CF入り原料は通常よりも流動性が低く、成型の難易度が高いという。宮城島俊之社長は「環境に配慮する顧客の要望に柔軟に対応し、他社との違いを生み出したい」と話す。
 「コロナ特需は落ち着いてきた。顧客獲得へ積極的に手を打つ必要がある」と危機感を抱くのは青島文化教材社(静岡市葵区)。昨年から、中国のSNSに商品を紹介する動画投稿を開始。国内量販店では多様な言語で作成した動画やポップを掲示し、回復基調にある訪日客の獲得を図る。担当者は「各国の流行を分析し、ファンの裾野を世界に広げていく」と語る。(経済部・駒木千尋)
 〈2023.5.11 あなたの静岡新聞〉

一般公開に合わせイベントも プラモニュメント巡り記念品ゲット

 静岡市の中心市街地活性化を目指す「I Loveしずおか協議会」は13、14日、市内6カ所に計7基設置された「プラモニュメント」を巡るスタンプラリーを開催する。両日に駿河区のツインメッセ静岡で開かれる静岡ホビーショーの一般公開に合わせた企画で、来場者の街中周遊を促す。

プラモニュメントを巡るスタンプラリーをPRする沼田会長(左)ら=静岡市役所静岡庁舎
プラモニュメントを巡るスタンプラリーをPRする沼田会長(左)ら=静岡市役所静岡庁舎
 イベントは昨年に続き2回目。モニュメントはJR静岡駅北口と南口、市役所静岡庁舎、ツインメッセ静岡に加え、今年新たに静清信用金庫本店(葵区)と駿府ホリノテラス(同区)にも設置された。ラリーではスタンプ台が併設され、モニュメントと同じデザインの判を押すことができる。全7種のスタンプを集め、葵区の札の辻ビルに持参したラリー参加者には、各日先着500人に記念品を渡す。
 同協議会の沼田千晴会長とモニュメント設置企業である同信金の佐藤徳則理事長、NTT西日本静岡支店の瀬戸伸亮ビジネス営業部長が9日、市役所静岡庁舎で難波喬司市長に概要を説明した。市内で1500円以上買い物をした人に抽選で地場産品を贈るイベントも併せて開催するという。
 沼田会長は、ラリーがホビーショー来場者を街中に呼び込む機会になると説明し、「これから定着させていきたい」と話した。(政治部・池谷遥子)
 〈2023.5.10 あなたの静岡新聞〉
地域再生大賞