大河ドラマ館グランドオープン 観光回復に力注ぐ浜松市
浜松市は18日、「どうする家康 浜松 大河ドラマ館」をグランドオープンしました。松本潤さんの浜松まつり参加も決まるなど、コロナ禍で低迷した観光のV字回復のチャンスととらえ、さまざまな取り組みを展開しています。
浜松・家康ドラマ館グランドオープン 撮影セットや衣装展示
浜松市は18日、「どうする家康 浜松 大河ドラマ館」(同市中区元城町)をグランドオープンした。本多忠真役の俳優波岡一喜さんや鈴木康友市長、名誉館長で徳川宗家当主の徳川家広さんらが開館式典に臨み、集まったファンや来場者に見どころをアピールした。
![グランドオープンした「どうする家康」の大河ドラマ館=18日午前、浜松市中区(浜松総局・二神亨)](/news/images/n122/1211039/IP230318TAN000011000_0001_CDSP.jpg)
波岡さんはかつて浜松が舞台の映画「青い青い空」に出演。今回は三方ケ原の合戦(1573年)で命がけで主君家康を助けた忠真役を演じる。式典で作品中の浜松の位置づけを説明しながら、「特に三方ケ原の戦いの場面は家臣の絆が描かれ、とても面白い」と強調した。
鈴木市長は「いよいよドラマは家康にとって激動の浜松時代に入る。試練を乗り越えて成長する物語の世界観を十分楽しめる展示になっているので、ドラマ館に足を運んでほしい」と呼びかけた。
(浜松総局・宮坂武司)
〈2023.3.19 あなたの静岡新聞〉
「大河」起爆剤 観光回復狙う 北嶋秀明氏/浜松市観光・シティプロモーション課長
徳川家康が主人公の大河ドラマ「どうする家康」の放送が始まった。家康ゆかりの地の浜松市は好機と捉え、コロナ禍で落ち込んだ観光需要の回復に力を注ぐ。行動力とアイデアで観光振興とプロモーションを先導する。
![北嶋秀明氏](/news/images/n122/1211039/IP230211TAN000014000_O.jpg)
「約3年前の就任以降、新型コロナ感染防止対策の飲食店認証制度やスマートフォンを使った大型ポイント還元キャンペーン、飲食代1億円キャッシュバックなどに取り組み、飲食店やホテルなど観光関連産業の厳しい状況を肌で感じた。これからが観光をV字回復させるタイミングだ。幅広い年代のファンを持つ松本潤さん主演の大河ドラマの舞台地になったことはありがたく、浜松があらためて全国から注目されるチャンス。起爆剤と期待している」
―ドラマ館の反響をどうみているか。
「1月22日のオープンから9日間で来館者が1万人を突破し、手応えを感じている。2月28日までのプレオープン期間は、家康を描いた大河ドラマ25作に焦点を当てた限定展示で、このような企画展は全国のドラマ館で初めての試み。過去のドラマ全61作とともに、当時の出来事を紹介する年表も添えた。3月18日のグランドオープンからは『どうする家康』一色の展示に変わる。『おんな城主 直虎』の78万人を上回る来館者を目指す」
―観光振興に向けて重視していることは。
「今回は地域連携が重要。県内外の家康ゆかりの地と連携し、相互誘客の取り組みを進める。現在の連携都市は県西部をはじめ、三重県桑名市や甲府市など20自治体以上。浜松が中心となり、各都市が盛り上がる仕掛けを打つ。徳川四天王の本多忠勝ゆかりの地との合同イベントも計画している。関係性を継続し、ドラマ終了後の24年に開かれる浜名湖花博20周年記念事業の誘客にも結びつけたい」
―リピーターの獲得にどうつなげるのか。
「ドラマの事前イベントに全国から多くの人が集まった。これまで浜松に関心がなかった人がドラマをきっかけに訪れてくれた。ゆかりの地はもちろん歴史、観光地、食、花、音楽など多種多様な魅力を楽しんでもらえるように情報発信していく。民間ではドラマに合わせた新商品の開発など新たな動きもある。官民連携で観光客をもてなしたい」
きたじま・ひであき 1994年、浜松市職員に。人事課で16年勤務した後、市民協働・地域政策課時代に北遠でのアワビの養殖を発案し、事業を進めた。農業水産課長を2年務め、2020年4月から現職。同市東区出身。52歳。
(浜松総局・宮崎浩一)
〈2023.2.13 あなたの静岡新聞〉
松本潤さん、浜松まつりに参加 家康公に扮し「騎馬武者行列」
浜松市は2日、5月5日の浜松まつり最終日に、同市が舞台の大河ドラマ「どうする家康」で主人公徳川家康を演じている俳優の松本潤さんが参加すると発表した。松本さんが家康公に扮(ふん)して中心街をパレードする「騎馬武者行列」を初開催する。
昨年11月には、俳優の木村拓哉さんが織田信長に扮した「信長公騎馬武者行列」が岐阜市で行われ、観覧の抽選に外れた人も含めて約46万人が来場した。経済効果が約150億円に上ったとの試算も出ている。
鈴木康友浜松市長は「家康公ゆかりの地の『出世のまち浜松』を全国発信する絶好の機会。全国のファンを市民とお迎えし、地域一体となって盛り上げたい」とのコメントを出した。
〈2023.3.2 あなたの静岡新聞〉
ドラマ先取り情報 販促活用へメール 浜松商議所、会員向け配信
浜松商工会議所は16日までに、大河ドラマ「どうする家康」の放送の先取り情報を提供し、商品や催しの企画、販促に活用してもらう会員事業所向けメール配信を始めた。トレンドになりそうな人物、場所、物にスポットを当て、年末までに20回、随時発信する。
![大河ドラマ「どうする家康」の登場人物にスポットを当て、販促活動に生かしてもらう情報メール=浜松市中区](/news/images/n122/1211039/IP230316TAN000214000_O.jpg)
近く舞台は浜松時代に移るとみられる。同商議所は「観光客の来訪増加が予想される中、情報をヒントに売り上げ向上につなげてほしい」と期待する。
今後の内容は、瀬名や大河ドラマ館「家康SHOP」の売れ行き情報なども予定する。
〈2023.3.17 あなたの静岡新聞〉