いつもの仕事も場所を変えて新鮮に♪ 静岡県内のワーケーション施設やコワーキングスペース
コロナ禍で進んだリモート出勤を機会に、職場以外のさまざまな場所から仕事ができるようになった方もいらっしゃるでしょうか。県内で広がるワーケーションやコワーキングスペース、自治体は交流人口増にも期待しています。
焼津PORTERS 5月プレオープン
焼津市が、漁具倉庫(同市中港)をリノベーションして整備しているテレワーク拠点施設「焼津PORTERS」について、5月にプレオープンすることが11日までの関係者への取材で分かった。2023年度当初予算案に施設利用の定着化など関連事業費4400万円を計上。にぎわい創出を図り、拠点の魅力向上を推し進めていく。

施設では、サテライトオフィスを置く企業が中心となって、デジタル関連の講座といったイベントを開く予定。市ではこうした取り組みを支援することで、利用者の定着を図るとともに、進出企業を呼び込みたい考え。(焼津支局・福田雄一)
〈2023.2.12 あなたの静岡新聞〉
熱海銀座商店街に新形態の宿 上層階の空室を活用
首都圏に近く、企業のワーケーションや滞在型研修の需要が高まっている熱海市で、新しいタイプの宿泊施設が23日(※2022年9月)、オープンした。来訪者が熱海の生活文化や課題に触れながら市民と交流するための拠点で、運営会社はまちの関係人口の増加を目指す。交通弱者支援や空き家問題など同市が抱える課題の解決に向けて、市民と市外の企業、人材の共創が期待される。

一方で、新型コロナウイルス禍に伴う働き方改革で、職場や自宅の場所にとらわれないライフスタイルに関心が高まっている。宿泊施設は遊休不動産の有効活用とともに、熱海に関わる企業や人材を呼び込むことを狙いに開業した。
施設には、カプセルタイプの8室と個室5室がある。不動産情報サービス会社ライフル(東京都)の定額多拠点居住サービスに登録されていて、メンバー登録すると定額で何度でも利用できる。
マチモリが運営するコワーキングスペースとも連動し、同社が展開する熱海の課題解決をテーマにした企業研修や事業開発支援が受けられる。
同社の市来広一郎代表(43)は「市内にはまちづくりのプレーヤーが育ってきているが、課題が進むスピードは速い。それに追いつくためには、市外の企業や人材の力が必要」と強調する。企業側も将来の事業展開を見据え、地域に横たわるさまざまな課題からビジネスチャンスを見いだそうとする動きが活発化しているという。その過程で地域に深く関わろうとしたり、まちづくりイベントに参加したりする企業が増えているという。
地域にも企業にもプラスになる取り組みを進めるためには、行政の積極的な関与も欠かせない。熱海市は本年度、首都圏の企業をターゲットにした研修や開発会議などの誘致を本格化しようとしている。もともとの狙いは、観光の繁忙期や週末以外にも安定的に宿泊客を呼び込むことが目的のようだが、まちの課題解決に資する実証実験の場を積極的に提供するなどして民間の取り組みを力強く後押ししてほしい。(熱海市局・豊竹喬)
〈2022.9.25 あなたの静岡新聞〉
「関係人口」創出へ 静岡県5団体選出
地域外で暮らしながら地域と関わりを持つ「関係人口」の創出を目指し、県が公募したモデル事業が9月(※2022年)から県内各地で本格化する。県内5団体の事業を採択し、新型コロナウイルス禍で急増したシェアスペースの利用者と地域の人たちとをつなぐ取り組みを展開する。ビジネス、アートなど多彩なプログラムを用意し、関係を深める機会に役立てる。
県はモデル事業を通して、地域の活性化や課題解決に取り組む人材の創出を狙い、戦略的に関係人口を獲得する手法の確立を目指す。将来的にはこれらの人材のさらに踏み込んだ地域参画や移住につなげたい考え。
モデル事業は、コワーキングスペースやシェアオフィスなど地域外からの利用者のいる施設を活用した事業を公募した。県内外から14団体が応募し、県東部、中部の5団体が選ばれた。
“複業”人材による地域活性化に取り組む合同会社「うさぎ企画」(長泉町)は、三島市内のシェアスペースに首都圏の起業家ら3組が短期滞在する企画を展開し、地域人材と交流を図る。
焼津、沼津の両市で民間図書館を運営する「トリナス」(焼津市)は図書館や連携施設が連動したワーケーションや交流を実施。NPO法人「クロスメディアしまだ」(島田市)は、今秋開設を目指す芸術家の滞在制作拠点「ヌクリハウス」(同市川根町)と連携した体験プログラムを展開する。
伊豆市の「NPOサプライズ」、熱海市の「machimori」も事業を予定する。(政治部・青島英治)
〈2022.9.22 あなたの静岡新聞〉
長泉・下土狩駅前 空き店舗改装、人財発掘・育成拠点に
長泉町は3日(※2022年10月)、JR下土狩駅前の空き店舗を改装したコワーキングスペースを開設する。利用者同士の交流を通してプロジェクトを立ち上げ、まちづくりを担う人財を発掘・育成する拠点として活用する。

実証実験として来年3月までニーズを調査し、空間の使い方や事業を具体化させる。整備後の鮎壺公園で開くイベントの企画なども予定している。山田代表は「利用者と話し合いながら企画を組めるよう、余白のある場所にした。いずれは自走できる施設にしたい」と話した。
施設は同駅から東に約100メートルの「本多ビル」2階。テーブル、カウンター、個室の3エリアに分かれ、Wi-Fi、プリンターを利用できる。利用料は1日200円、半日100円。利用時間は平日午前10時~午後5時。(東部総局・菊地真生)
〈2022.10.2〉