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浜松のギョーザ購入額3位転落も 工夫いろいろ、楽しみ方多様化

 浜松を代表するグルメ、ギョーザ。昨年、購入額の全国首位奪還を目指していたが、22年、浜松市は初めて3位に転落してしまいました。市内の飲食店は勢いを盛り返そうと、さまざまな工夫を凝らしています。ギョーザの街、浜松の取り組みを1ページにまとめます。

原材料や光熱費高騰...逆風の中 多彩なギョーザ販売に力

 総務省が7日発表した2022年家計調査で、浜松市は世帯当たりのギョーザ購入額で初の3位に転落した。「2年ぶり首位奪還」の願いは実現しなかったが、ギョーザを扱う市内の飲食店は原材料や光熱費が高騰する逆風の中、「ギョーザの街浜松」を何とか盛り上げようと特色ある逸品の販売に力を注ぐ。

定番や特色あるギョーザを提供する浜松弐輪舎餃子の平田康輔店長=7日午後、浜松市中区のザザシティ浜松中央館
定番や特色あるギョーザを提供する浜松弐輪舎餃子の平田康輔店長=7日午後、浜松市中区のザザシティ浜松中央館
 同市中区の複合商業施設ザザシティ浜松中央館1階に店を構える浜松弐輪舎餃子(にりんしゃギョーザ)は、浜松オートレース(同区)の場内で客や選手に親しまれているギョーザを提供する。
 21年10月の出店後、小麦や油の価格、ガス代などの高騰が進んだが、定番の焼きギョーザは5個440円(税込み)と、店内メニューは据え置いている。栄養豊富な葉野菜「ケール」や、バニラアイスと食べる大学芋風の「スイーツギョーザ」もそろえ、女性客の獲得を狙う。
 中心街では22年、ギョーザを扱う42店舗をまとめたマップを作成し、食べ歩きイベントを開催した。各店は、浜松とゆかりの徳川家康を題材にした大河ドラマ効果による誘客を見据え、土産向けにかつお節の風味を生かした品やピアノの鍵盤をモチーフにした白と黒色のギョーザなどを相次いで売りだした。
 ただ、家計調査は調理済みや生のギョーザが対象で、外食や冷凍は含まれない。浜松弐輪舎餃子の平田康輔店長(28)は「3位転落は残念だが、ギョーザの楽しみ方は多様化している。浜松を盛り上げられるよう、老若男女に味わってもらえる品を提供したい」と意気込みを語る。(浜松総局・白本俊樹)
〈2023.2.8 あなたの静岡新聞〉
 

1位は2年連続で宮崎市、2位は宇都宮市 22年総務省家計調査

 浜松市は7日、総務省が同日公表した全国の県庁所在地と政令市の2022年家計調査で、世帯当たりギョーザ購入額が3位だったと発表した。1位は2年連続で宮崎市、2位は宇都宮市で、浜松市が3位以下となるのは、市が集計を始めた2010年以降で初めて。一方、ウナギのかば焼き購入額は2年連続で2位だった。

世帯当たりのギョーザ購入額上位の都市の推移
世帯当たりのギョーザ購入額上位の都市の推移
 調査はスーパーなどで購入した生や調理済みギョーザが対象で、冷凍食品や外食は含まない。浜松市によると、同市の購入額は3435円で前年に比べ、293円少なかった。宮崎市は4053円、宇都宮市は3764円。
 浜松市観光・シティプロモーション課は3位転落について、ギョーザによる地域おこしに力を入れる都市の増加や、調査対象外の冷凍ギョーザの販売店増加が要因とみている。
 鈴木康友市長は「日本一は逃したが、浜松餃子(ギョーザ)は出世の街浜松を代表するグルメ。多くの方に浜松へお越しいただき、楽しんでほしい」とのコメントを発表した。
 浜松市のウナギのかば焼きの消費額は4875円。1位の京都市は4991円だった。(浜松総局・草茅出)
〈2023.2.7 あなたの静岡新聞〉
 

白黒ギョーザ、まるでピアノ♪ 浜松の商店、皮の色で鍵盤表現

 浜松市中区の酒類・食品販売「間渕商店」が「音楽のまち浜松」を発信しようと、ピアノの鍵盤をモチーフにした「ピアノ餃子(ギョーザ)」を商品開発した。黒色の皮を使ったギョーザで黒鍵を、白色の皮で白鍵を表現し、見た目にもユニークな土産用の冷凍ギョーザとして販売を始めた。

黒と白色の鍵盤をイメージしたユニークな餃子に仕上げた
黒と白色の鍵盤をイメージしたユニークな餃子に仕上げた
 ギョーザによる浜松の中心街活性化に力を注ぐ同社は、4月に繁華街の飲食店にギョーザのモニュメントを設置し、8月には街中の飲食店と食べ歩きイベントを実施した。新商品のピアノ餃子はキャベツが多く、さっぱりとした食感の「浜松ギョーザの印象を覆したい」(同社)と企画したという。
 竹炭を使った黒色ギョーザはニンニクの風味をふんだんに効かせて、酒に合う味わいに仕上げた。一方の白色はニンニク不使用。レンコンを入れ、「食べる際にシャキシャキと音を奏でるイメージ」(同社)を意識した。
 パッケージにはピアノのデザインを採用している。太田宴貴取締役統括部長は「ギョーザとともに、音楽文化が盛んな浜松の魅力を広めたい」と話す。
 ピアノ餃子は黒色7個、白色17個入りで税込み千円。同区肴町のメルカート間渕で取り扱う。
〈2023.2.8 あなたの静岡新聞〉
 

浜松餃子42店味比べ 食べ歩きマップ作成 中心街のおすすめ紹介

 浜松市の官民でつくる浜松まちなかにぎわい協議会はこのほど、浜松餃子(ギョーザ)を中心街で提供する42店の食べ歩きマップを作成した。

浜松餃子を提供する中心街の42店舗をまとめた食べ歩きマップ=浜松市中区
浜松餃子を提供する中心街の42店舗をまとめた食べ歩きマップ=浜松市中区
 JR浜松駅周辺で焼き餃子をその場で食べられ、キャッシュレス決済ができる地元資本の店をまとめた。肉や野菜などをたっぷり使った各店おすすめの餃子の写真や紹介文をA3サイズに掲載した。
 JR浜松駅構内の観光インフォメーションセンターや掲載店舗、多目的施設Any(エニィ)などで配布している。同協議会の担当者は「マップを片手に、食べ歩きを楽しんでほしい」と話す。
 同協議会と浜松・浜名湖ツーリズムビューロー、浜松商工会議所の3団体は昨秋から連携して浜松餃子を活用した観光誘客に取り組んでいる。同会議所が運営する特設サイトでも浜松餃子を提供する店舗を紹介している。(浜松総局・白本俊樹)
〈2022.4.13 あなたの静岡新聞〉
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