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⚽全国高校サッカー選手権28日開幕 浜松開誠館初戦は31日

 第101回全国高校サッカー選手権が28日に開幕します。静岡県代表の浜松開誠館の初戦は、31日午後2時10分から、埼玉・浦和駒場スタジアムで前回準優勝の大津(熊本)と対戦します。初戦に向けて意気込む選手や監督のコメント、県大会決勝戦の様子を1ページでまとめます。

初戦は前年準Vの大津と 一戦必勝、頂点目指す

 第101回全国高校サッカー選手権に出場する浜松開誠館の選手とチーム関係者が16日、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館を訪れ、意気込みを語った。

記念パネルを受け取る浜松開誠館高の前田主将=静岡市駿河区の静岡新聞放送会館
記念パネルを受け取る浜松開誠館高の前田主将=静岡市駿河区の静岡新聞放送会館
 浜松開誠館は4年ぶり2度目の出場で、31日の初戦で前年準Vの大津(熊本)と対戦する。青嶋文明監督は「1試合1試合しっかり戦いたい」と決意を示した。
 チームは連動したプレスと鋭いカウンターが武器。左サイドに入る前田康尋主将(3年)は「全国舞台は楽しみ。静岡の代表として存分に力を発揮し、優勝旗を持って戻ってきたい」と誓った。
 静岡放送の谷口智康代表取締役は記念パネルなどを贈り「県大会はチームワークが光る試合運びだった。サッカー王国静岡をいま一度、全国に発信してきてほしい」と激励した。
 高橋千広校長と種吉圭造コーチ、若尾直哉選手(3年)も訪れ、一行は県庁も訪問した。(運動部・寺田拓馬)
 〈2022.12.17 あなたの静岡新聞〉

前田主将「強いチームとの対戦でワクワク」

 第101回全国高校サッカー選手権(12月28日~来年1月9日)の組み合わせ抽選会が21日、オンラインで行われ、静岡県代表の浜松開誠館は2回戦で大津(熊本県)と対戦することが決まった。試合は12月31日午後2時10分から、浦和駒場スタジアム(埼玉県)で行われる。

オンライン抽選会後、初戦の大津戦に向けて意欲を高める浜松開誠館の前田主将(左)と青嶋監督=静岡市内
オンライン抽選会後、初戦の大津戦に向けて意欲を高める浜松開誠館の前田主将(左)と青嶋監督=静岡市内
 浜松開誠館は4年ぶり2度目の出場で前回は初戦敗退。1戦必勝で準決勝まで勝ち上がり、初の国立競技場まで進みたい。

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 初戦の相手大津は昨年の準優勝校で、高校生世代最高峰のプレミアリーグ西地区で現在6位につける。浜松開誠館のブロックにはプレミアリーグ東地区所属の前橋育英(群馬県)、プリンスリーグ関東1部で現在首位の昌平(埼玉県)など強豪が集まった。
 オンライン抽選に臨んだ前田康尋主将は「強いチームとの対戦でワクワクしている。攻撃と球際の質を高め、1試合でも多くこの仲間と一緒にサッカーがしたい」と意欲を高める。
 浜松開誠館はプリンスリーグ東海で首位に立ち、7月以降公式戦負けなしで自信を深めている。青嶋文明監督は「大津は格上の相手だが、選手がのびのびプレーできるよう準備を整え、歴史の新たな1ページを開きたい」と意気込んだ。
 〈2022.11.22 あなたの静岡新聞〉

静岡県大会 4年ぶり2度目頂点 藤枝東に2ー0

 第101回全国高校サッカー選手権静岡県大会(県サッカー協会、県高体連、静岡新聞社など主催)は12日、エコパスタジアムで決勝を行い、浜松開誠館が2-0で藤枝東を下し、4年ぶり2度目の優勝を果たした。全国大会の開幕は12月28日で、11月21日に組み合わせ抽選会が行われる。

浜松開誠館―藤枝東 前半7分、松本(右から2人目)の先制ゴールを喜ぶ浜松開誠館イレブン=12日午後、袋井市のエコパスタジアム
浜松開誠館―藤枝東 前半7分、松本(右から2人目)の先制ゴールを喜ぶ浜松開誠館イレブン=12日午後、袋井市のエコパスタジアム

 ▽決勝
 浜松開誠館 2(1―0 1―0)0 藤枝東
 ▽得点者【浜】松本(なし)岡田(なし)

 【評】浜松開誠館が効果的な時間に得点し、2-0で藤枝東を破った。
 浜松開誠館の先制点は前半7分、ペナルティーエリア手前のFKを松本が直接決めた。その後は藤枝東がボール支配率で上回り、2トップの井藤、植野を中心に攻撃したが、無得点で折り返した。
 後半も藤枝東が相手陣内でパスを回したが、シュートまで持ち込めなかった。すると29分、浜松開誠館の岡田が豪快なボレーで貴重な2点目を挙げた。

  団結の開誠館 今井が攻守のかじ取り

 主体性を大切にする浜松開誠館の選手がピッチで輝いた。攻守に組織力で上回って伝統校藤枝東を下し、前田主将は「苦しい時間もピッチ内で声を掛け合い、自分たちで修正できた」と胸を張った。
 「たくましくプレーした」と青嶋監督がたたえたのは、大会MVPに輝いた今井。中学からの生え抜きで以前は身体能力が低くチーム内の位置付けは高くなかったが、「コツコツ努力し、大きく成長した」と指揮官。正確な技術とハードワークを武器に、中盤で菅原とポジションを状況に応じて変えながら攻守のかじを取った。
 前半早い時間に先制した後、相手にボール支配を許したが、チームとして想定通り。今井は「守備ブロックをつくり、全員で体を張って戦い、楽しめた」と笑顔を見せた。
 県総体は準々決勝で敗れたが、攻守の切り替えと球際の強さをチーム全体で意識し、その後のプリンスリーグ東海は5勝1分けと負け知らず。全国切符を勝ち取り、先制ゴールを決めた松本は「ボールを奪ってからの動きだしの連動性を高め、さらにシュート数を増やしたい」とレベルアップを誓う。
 4年前の優勝との違いについて、青嶋監督は「地域の子どもを育てたいとベクトルを向けてきた」と振り返った上で、「全国舞台で選手が一生の思い出をつくれるよう準備したい」と意欲を新たにした。

  岡田豪快ボレー 県制覇は「通過点」

 右足で放ったスーパーゴールでチームを勝利に導いた。後半29分に追加点を挙げた浜松開誠館の岡田は「ミドルシュートは得意で狙っていた。イメージ通り」と会心の笑みを浮かべた。
 相手にパスを回される時間が長くてもチームに焦りはなく、「全員でプレスの狙いどころを意思統一し、100%できていた」と自信があった。
 ボランチとして持ち味は球際の激しさで、高さと強さを兼ね備えたヘディングも特長。背番号5は「目標の全国制覇に向け、まだ通過点。自分のプレーが通用することを示したい」と決意を語った。(運動部・寺田拓馬)

  優秀選手、優秀レフェリー
 全国高校サッカー選手権県大会の優秀選手、優秀レフェリーは次の通り。
 【MVP(最高殊勲選手)】今井航(浜松開誠館)
 【ベストイレブン】GK 藤井海人(浜松開誠館)▽DF 山本蒼太(藤枝明誠)行徳瑛(静岡学園)原田渉夢(浜松開誠館)▽MF 海貝俊輔(藤枝東)高橋隆大(静岡学園)前田康尋、菅原太一、松本大樹(以上浜松開誠館)▽FW 高桑琉吾(浜名)井藤璃人(藤枝東)
 【優秀GK】石坂地央(藤枝東)
 【優秀DF】吉川慶二郎(藤枝東)
 【最優秀新人】荒明斗空(浜松開誠館)
 【得点王(4点)】菅原太一(浜松開誠館)
 【アシスト王】なし
 【優秀レフェリー】松永健資(富岳館高教)
 【フェアプレー賞】浜松開誠館

課題浮き彫り、昇格逃す プレミアリーグ参入決定戦

 サッカーの高円宮杯U-18(18歳以下)プレミアリーグの参入決定戦は11日、広島市内で2回戦6試合を行った。浜松開誠館高(プリンスリーグ東海1位)は昌平高(同関東1位、埼玉)に0-2で敗れ、プレミア昇格を逃した。

浜松開誠館高―昌平高 前半相手DFと競り合う浜松開誠館高のFW坂上(右)=広島広域公園第一球技場
浜松開誠館高―昌平高 前半相手DFと競り合う浜松開誠館高のFW坂上(右)=広島広域公園第一球技場

力負け「ゴール前の差が出た」
 全国の強豪相手に力負けし、チームの課題が浮き彫りになった。浜松開誠館高は7月から公式戦の東海プリンスリーグと選手権静岡県予選で負けなしの快進撃を続けてきたが、関東1位の昌平高にプレミア昇格の夢を砕かれた。「ゴール前の差が出た」。青嶋監督は冷静に現状を見つめた。
 試合の入りは良く中盤でプレスを掛け、相手に形を作らせなかった。しかし、前半28分にミドルシュートで失点。守備を崩されたわけではないが、DFライン前のマークが甘く、3バック中央の原田は「人数はそろっていたのに、前へ出られなかった」と反省した。
 個の力で上回る相手に対し後半11分に追加点を奪われると、さらに弱気になった。全体が間延びし、中盤を飛ばして前線にルーズなボールを蹴る場面が増加。試合を通じてシュート3本に終わり、左サイドで奮闘した前田主将は「挑戦する気持ちが足りず、チームとして意思統一できなかった」と指摘した。
 全国選手権開幕まであと約3週間。指揮官は「自分たちは個人じゃなく連動性が武器。いかに前へボールを運ぶか、きょうの経験を財産として浜松に持ち帰りたい」とチームの立て直しを誓った。(運動部・寺田拓馬)
 〈2022.12.12 あなたの静岡新聞〉
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