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懐かしの楽器「メロディオン」 どう呼んでいましたか

 こども園や小学校での合奏の定番楽器「メロディオン」。子どものときに親しんだ方も多いのではないでしょうか。浜松市中区の教育楽器メーカー鈴木楽器製作所が1961年、国内で初めて製造したとされています。同社は創立70周年に向け、メロディオン初号機を探しています。最近は、大人向けメロディオンの開発や音楽療法への活用など一層の魅力を見せるメロディオン。改めて魅力に迫ります。
 〈キュレーター:編集局未来戦略チーム 石岡美来〉

メロディオン初号機「探しています」 浜松の鈴木楽器製作所

 教育楽器メーカーの鈴木楽器製作所(浜松市中区)が、1961年から製造し、発売した鍵盤ハーモニカのメロディオン初号機「スーパー34」を探している。創立70周年を迎える2023年に向け、記念展示したい考えだが、社内に保管品がないことが判明したため、寄贈に応じてくれる保有者を募ることになった。

鈴木楽器製作所のメロディオン初号機「スーパー34」
鈴木楽器製作所のメロディオン初号機「スーパー34」
 スーパー34は赤いサイドカバーが特徴で、ケースは黒。サイズは長さ約45センチ、奥行き約10センチ。同社によると、1971年ごろまで製造していたことから、57~73歳になった人が当時、幼稚園や小学校などで使用していたと考えられるという。
 メロディオンは誕生以来、約60モデルを開発するなどした同社を代表する製品。試験販売や地域、学校限定を含めると、80モデル以上になるロングセラー商品という。同社の公式サイトに特設ページを開設し、寄付の募集や情報を集めている。
〈2022.8.7 あなたの静岡新聞〉

メロディオン? ピアニカ? どちらで呼んでいましたか

 1961年に誕生した鈴木楽器の鍵盤ハーモニカ「メロディオン」は、文部省の教材基準に採用され、発売から新機種開発、モデルチェンジを重ねました。教育用楽器は他にも、リコーダーやアコーディオン、ハーモニカなどがあります。(※2011年4月4日静岡新聞朝刊より) 

 「メロディオン」のほかに「ピアニカ」と呼んでいた人も多いのではないでしょうか。違いは製造元によるそうです。鈴木楽器製が「メロディオン」、ヤマハ製が「ピアニカ」と呼ばれます。みなさんはどの名前で呼んでいましたか?
 

「音楽療法」効果に期待 近年は、大人も鍵盤ハーモニカ

 息を吹き込みながら指で音を鳴らす「鍵盤ハーモニカ」を使って健康増進やコミュニケーションの活性化を図ろうと、発祥の地の浜松市の楽器販売会社が大人向けの普及活動に乗り出す。音楽教室での個別指導に加え、高齢者施設や事業所に講師を派遣する出前教室などを計画する。

気軽に演奏できる鍵盤ハーモニカ。浜松の楽器販売会社が大人向けの普及活動を始める=2月上旬、浜松市南区の鈴木楽器販売
気軽に演奏できる鍵盤ハーモニカ。浜松の楽器販売会社が大人向けの普及活動を始める=2月上旬、浜松市南区の鈴木楽器販売
  企画したのは、国産初とされる鍵盤ハーモニカ「メロディオン」を製造した鈴木楽器製作所(中区)の製品を取り扱う鈴木楽器販売(南区)とアオイ楽器店(中区)。
  鈴木楽器販売の多田和修執行役員営業推進部長は「鍵盤ハーモニカは子供向けの教育楽器とのイメージが強いが、大人向けモデルも増えている。年齢を問わず、楽しく簡単に演奏できることを知ってほしい」と話す。
  鍵盤ハーモニカは多くの人が小学校などで演奏経験がある。年齢を重ね、時間の余裕を得やすくなった世代を中心に再挑戦してもらい、演奏者の裾野を広げる狙いだ。
  腹式呼吸を利用する楽器演奏は、呼吸器系機能や嚥下(えんげ)機能の向上、脳の活性化、ストレス解消などの効果が期待され、「音楽療法」として注目されているという。
  アオイ楽器店の川上嘉将社長は「健康づくりとともに、職場の仲間同士で演奏すれば、横のつながりが強まるのでは」と波及効果に期待する。
〈2022.2.21 あなたの静岡新聞〉
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