秋漁解禁、魚影薄く わずか2トン、漁師不安視

 記録的不漁が続く駿河湾産サクラエビの秋漁が23日、解禁した。大井川港漁協(焼津市)所属の約40隻が、湾南部で漁獲可能ラインとした親エビ(体長35ミリ以上)が30%以上確認できた焼津沖から相良沖を中心に行ったが、水揚げ量は約2トンにとどまった。資源回復は見られず、地元漁師からは「取れたうちに入らない」など先行きを不安視する向きが広がった。

秋漁が解禁し、水揚げされるサクラエビ。わずか約2トンにとどまった=23日夜、焼津市の大井川港
秋漁が解禁し、水揚げされるサクラエビ。わずか約2トンにとどまった=23日夜、焼津市の大井川港

 秋漁としては2年ぶりの水揚げ。漁初日の水揚げ量としては、自主規制をとった今年の春漁初日(約4トン)の半分程度。
 大井川港では午後4時ごろ、漁場に向けて出港し、約3時間の操業を行った。24日早朝に由比漁港(静岡市清水区)と大井川港で初競りを行う。
 秋漁では自主規制を敷き、湾全体を湾奥、中部、南部に分け、漁獲できる親エビの割合をそれぞれ75%以上、50%以上、30%以上と設定。由比港漁協の約70隻は28、29両日に海に下ろすため、全地区そろっての本格操業は11月とみられる。
 19、20両日に県桜えび漁業組合が湾中部から南部にかけて行った資源調査で、親エビが確認できたのは南部の静波沖のみだった。主な産卵場の湾奥(富士川沖)も卵の数が大幅に減少するなど漁況は改善されていない。漁期は12月23日までだが前倒しで終了する可能性もある。

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