サクラエビとシラス「紅白の縁起物」 由比の業者、かき揚げ開発

 静岡市清水区由比の水産加工業「望仙」が、駿河湾産サクラエビを使ったかき揚げに続き、地元で水揚げされたシラスによるかき揚げを新商品として売り出し、人気を呼んでいる。エビと合わせた“ダブルかき揚げ”はまさに「紅白の縁起物」(同社担当者)。サクラエビの記録的不漁の収束見通しが立たない中、新たな名産にと意気込む。

新たに商品化したシラスのかき揚げ(左)。サクラエビのかき揚げと「紅白の縁起物」として売り込む=10月下旬、静岡市清水区
新たに商品化したシラスのかき揚げ(左)。サクラエビのかき揚げと「紅白の縁起物」として売り込む=10月下旬、静岡市清水区

 同社では新型コロナウイルスの感染拡大以降、外食を控える家庭が増えたことで電子レンジで手軽に調理できる冷凍食品「贅沢桜えびかき揚げ」の注文が急増。10年以上生産しているが、サクラエビの記録的不漁が続き原材料の安定供給に不安があった。そこで比較的水揚げが保証されるシラスに着目。幅広い世代に親しまれているかき揚げを企画した。
 同社の望月信孝さん(37)が開発を担当した。具材として小さいシラスの風味を強く感じられるように衣との比率を調整し、サクラエビに比べた焦げやすさを考慮して低めの油温で揚げた。弟で主任の望月俊孝さん(33)が、サクラエビのかき揚げと共に黒を基調に高級感のあるパッケージに統一した。
 そのままでもおいしく食べられるが、2人のお薦めの食べ方は汁物。少しふやけてシラスとだしの風味が合わさると絶品という。「紅白の縁起物」として年末需要も狙う。2人は「シラスはサクラエビと並ぶ由比の資源。新しい食べ方が広がってほしい」と話した。
 商品名は「贅沢しらすかき揚げ」。同区の直売店のほか、静岡、藤枝両市の商工会チャレンジショップなどで販売している。2人前約100グラムで税込み870円。

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