静岡・千石で追加地質調査へ 「直下」は含まれず【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題で、静岡県は8日、JR東海が昨年11月に再申請していた千石ヤード(作業基地)付近の地質を調べる追加のボーリング調査について、県条例に基づく自然環境保全協定を結ぶ必要はないとして認める方針を明らかにした。高圧大量湧水の発生が懸念され、先進坑と大井川の交差部に当たる「大井川直下」の地質は今回の調査対象に含まれていない。

JR東海が追加のボーリング調査をする箇所
JR東海が追加のボーリング調査をする箇所

 千石ヤード付近での調査は斜坑の坑口予定地から北東側に斜めに掘削し、コア(円柱状の地質試料)も採取する。JRによると、文献や地表踏査によって県境付近の大規模断層が千石ヤード付近を通ると想定されるため確認するという。
 追加調査を巡っては昨年10月にJRが西俣、千石、椹島の各ヤード付近での実施を県に申し入れ、県は西俣、椹島は協定締結の必要がないと回答済み。千石は改変面積が大きいため再検討を求めていた。県によると、JRが改変面積を縮小したため協定締結は必要ないという。
 有害な重金属を含む残土置き場が検討されている藤島沢でも、JRは土質や強度を調べる垂直ボーリングの実施を申し入れ、県は協定締結の対象にならないとして容認した。

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