湧水資料公表、再び拒否 JRが静岡県に回答【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、JR東海は20日、大井川直下部分でトンネル本線を掘る際の留意点を記載した資料の流域住民への公表を求めた静岡県に対し、流域住民に不安を与えかねないとして公表を拒否する方針を改めて文書で伝えた。
 県は9日、「情報を公開し、適切な情報が流域に届くようにすることが大切だ」として資料を非公表とする方針を再考するようにJRに要請していた。
 JRは20日の回答文書で、県が公表を求めた資料が何を指すのか分からないとした上で、環境影響評価(アセスメント)の関係資料について「専門知識を有する関係者による分析・議論を踏まえずに単に公開をすれば、流域の不安解消にはつながらず、むしろ不安を与えてしまう結果になりかねない」と非公表にしている理由を説明。関係資料の中で説明するのが適切と考える部分を示すよう県に求めた。
 静岡新聞は9月、資料の大井川直下部分に「涵養(かんよう)された地下水が大量に存在している可能性があり、高圧大量湧水の発生が懸念される」と記されていると報道。JRは「一部のみを抜き出して不適切に使用」と報道を批判したが、具体的な説明を求めた本紙の要請に応じていない。

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