湧水資料、JRが公開を 静岡県、国交省に指導要請【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、県は22日、大井川直下でトンネル本線を掘る際の留意点として高圧大量湧水発生の懸念を指摘した資料について、JR東海が国の専門家会議で公開すべきだとして、国土交通省にJRを指導するよう求める文書を送付した。
 資料は2013年にJRの委託で地質調査会社が作成した。「涵養(かんよう)された地下水が大量に存在している可能性があり、高圧大量湧水の発生が懸念される」と記されている。静岡新聞が9月に報道した。
 県は10月に入り、資料の公開を2度にわたってJRに求めたが、環境影響評価の資料は専門家の分析・議論を踏まえず公表すれば流域に不安を与えかねないなどとしていずれも拒否された。一方で、20日の県への回答文書では、専門家会議の委員から要請があれば、資料を示して丁寧に説明する方針を示した。
 県は22日に国交省に送付した文書で、大井川流域の住民の不安を払拭(ふっしょく)するにはJRが有する情報の公開が大切だと指摘。国の専門家会議での資料公開をJRに求めるよう要請した。

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